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質量分析器を利用した神経膠腫の術中迅速細胞密度測定

研究課題

研究課題/領域番号 20K17925
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分56010:脳神経外科学関連
研究機関山梨大学

研究代表者

埴原 光人  山梨大学, 大学院総合研究部, 助教 (60596998)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
キーワードグリオーマ / 質量分析器 / バイオマーカー / 手術支援 / 脳神経外科手術 / 神経膠腫 / 質量分析 / 機械学習
研究開始時の研究の概要

本研究では山梨大学で独自開発された質量分析装置とデータ解析プログラムを用いて、腫瘍細胞密度を術中に数分で測定する手術支援システムを確立することを目的とする。判定には機械学習を採用し、特定のピークに依存しないマススペクトル全体の情報を基に行う。これにより新たな摘出境界診断の確立を目標とする。

研究実績の概要

本研究の目的は新たな境界指標として、迅速かつ簡便に腫瘍の細胞密度を測定できる手術支援装置の開発であり、装置として質量分析器を用いる。
令和2年度は1)培養細胞実験:グリオーマ細胞株を安定し継代し、マススペクトル診断の精度検証および2)マウスモデルの作成と試料作成をおこなった。サンプルは大脳の凍結保存と、マウス尾より血液採取を安定して行うことができた。
令和3年度、ヒト検体については凍結標本から、18の試料を作成した。細胞密度に関しては、細胞株のような均質な検体の場合は、有効だが、ヒト組織のような腫瘍だけでなく血管などが入り込むと複雑化し、正確性に欠けることが分かったため、質量分析器の特性を活かしたグリオーマのバイオマーカー探索も並行して行うこととした。
令和4年度はマウスモデルの尿検体と血液検体のマススペクトルデータ解析を行い、血漿検体では移植後早期から有意に変化するマススペクトルを発見した。各マススペクトルに対してHuman Metabolome Databaseで代謝産物候補を絞り、病的意義を検討した。
令和4、5年度は移植後複数時点の経時的なサンプル採取を行った。移植前、移植後3日、7日、14日に血液採取を行い、血漿をPESI-MSにて分析し、腫瘍群とコントロール群間で有意差のあるマススペクトルを抽出した。得られたマススペクトルを多重ロジスティック回帰分析し、最適な判別性能を調査し、診断法としての有用性を検証した。移植3日から14日目までの全期間で有意差が出たマススペクトルが3個、移植3日目と7日目の2期間で有意差をもつマススペクトルが16個検出された。PESI-MSはリン脂質の判別に優れることより、今回観察されたマススペクトルの変化は、腫瘍の成長、組織浸潤、細胞壁成分の産生に伴うリン脂質の代謝変化を反映していると推察された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

細胞密度に関しては、細胞株のような均質な検体の場合は、有効だが、ヒト組織のような腫瘍だけでなく血管などが入り込むと複雑化し、正確性に欠けることが分かったため、質量分析器の特性を活かしたグリオーマのバイオマーカー探索を行い、マウスモデルでは有効な結果が得られた。

今後の研究の推進方策

マウス血漿からPESI-MSで神経膠腫診断が早期から可能であることがわかった。実験行程の検証を行い、より個体差があるヒト検体での調査に移行する。
悪性神経膠腫の患者体液を試料とした質量分析による代謝物の網羅的な動態把握、特異的なバイオマーカー発見による診断が確立されれば、脳腫瘍の診療に大きな革新が生じると考えられる。

報告書

(4件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 2020 実施状況報告書

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公開日: 2020-04-28   更新日: 2024-12-25  

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