研究課題/領域番号 |
20K17926
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56010:脳神経外科学関連
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
松原 博文 岐阜大学, 医学部附属病院, 助教 (00800244)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 出血性脳卒中 / フェロトーシス / 急性脳障害 / 白質傷害 / ferroptosis |
研究開始時の研究の概要 |
虚血性脳卒中に対する臨床的治療と比較し、出血性脳卒中の治療の進歩は停滞している感がある。基礎研究の領域でも、脳神経傷害の発生、進展機序の解明は遅れており、国際的にもほとんど研究が進められてはいない。また、出血性脳卒中において臨床的に脳神経傷害を軽減する治療法は皆無と言ってよい。ヒト大脳組織の約50%を占める白質傷害に対する注目度は近年高まっているが、出血性脳卒中における白質傷害に関する報告はほとんど見られなかった。これまでに、我々はマウスモデルを用いてSAH後、早期に白質傷害が起こり得ることを報告したが、さらに、出血性脳卒中において白質傷害に対する基礎研究が重要かつ優先すべき課題である。
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研究成果の概要 |
近年目覚ましい発展を遂げている虚血性脳卒中(脳梗塞)と比較し、出血性脳卒中(脳内出血およびクモ膜下出血)の治療の進歩は停滞している感がある。本研究では、出血性脳卒中に着目し、機能予後の改善につながる治療ターゲットの模索を行った。中でもより重篤なくも膜下出血についてマウスモデルを用いた検討を行い、くも膜下出血後急性期に生じる脳血流の低下が、神経学的予後及び亜急性期の高次脳機能障害に寄与することを発見し、報告した。また、透析などに使用されるナファモスタットがくも膜下出血後の神経予後を改善する事を発見し、報告した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
出血性脳卒中はは全脳卒中の10-15%程度を占める疾患であるが、半年後の日常生活自立率は約20%とされ、罹患者のみならずその家族の負担も大きい。発症後の症状の緩和・改善は罹患者・家族の負担軽減のみならず、医療経済にも大きく貢献できると考える。今回くも膜下出血後の脳血流低下が予後増悪に関与する事、ナファモスタットが新規治療薬の可能性がある事を報告した。出血性脳卒中後に生じる神経障害への治療法は皆無である現在において、直接的な神経傷害の軽減につながる報告となったと言える。
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