研究課題/領域番号 |
20K17929
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56010:脳神経外科学関連
|
研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
宮田 悠 滋賀医科大学, 医学部, 客員助教 (40869749)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
|
キーワード | intracranial aneurysm / rupture / 脳動脈瘤 / 破裂機序 / 慢性炎症 / 動物モデル |
研究開始時の研究の概要 |
脳動脈瘤の発生や増大はマクロファージ依存的な慢性炎症により制御されていることはよく知られているが、脳動脈瘤の破裂には脳血管の器質的変化と炎症反応が重要であることが最近の我々の研究から示された (Miyata. J Neurosurg. 2019)。しかしながら、生じうる器質的変化の誘因や破裂に繋がりうる炎症反応の詳細な機構については未解明である。脳動脈瘤が安定した状態を維持する、あるいは破裂に至る変化を生じる機構を解明することは、脳動脈瘤破裂を制御する治療法の開発につながりうる。脳血管壁の器質的変化および破裂と関連する炎症反応の解析を行うことで、脳動脈瘤の破裂を制御する機構を解明する。
|
研究成果の概要 |
モデル動物の脳動脈瘤壁の網羅的遺伝子発現解析を行い、破裂における好中球の関与が示唆された。モデル動物に対するG-CSF投与にて病変部に浸潤する好中球を増加させると、脳動脈瘤自然破裂も有意に増加した。破裂瘤標本において、好中球浸潤は壁のvasa vasorum近傍に多く、Hypoxyprobeを用いたin vivoでの組織低酸素の検出では脳動脈瘤外膜における低酸素状態の存在を確認した。免疫染色にて同部位におけるFGF2、VEGFの発現を認めた。動脈瘤外膜の低酸素刺激がFGF2、VEGFを誘導し、血管外膜におけるvasa vasorum増生、浸潤した好中球が破裂を惹起するという病態が推定された。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
脳動脈瘤の破裂機序はこれまでほぼ解明されておらず、未破裂脳動脈瘤に対しての治療介入は外科治療しか選択肢が存在せず、内科治療の創出がunmet medical needとなっている。一方、破裂機序が解明されれば、脳動脈瘤破裂予防に対する薬物治療を創出しうる可能性がある。本研究で明らかになった好中球などの炎症を脳動脈瘤壁局所で制御できれば、脳動脈瘤破裂を予防できる可能性があり、社会的意義があるものと考えられる。
|