研究課題/領域番号 |
20K17931
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56010:脳神経外科学関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
島津 洋介 岡山大学, 医学部, 客員研究員 (90854084)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | Ad-SGE-REIC / びまん性橋膠腫モデル / 遺伝子治療 |
研究開始時の研究の概要 |
びまん性橋膠腫(DIPG)は、主に小児の橋に発生する稀な腫瘍である。現在標準治療は放射線治療のみで、診断からの生存期間中央値は約9か月と大変予後不良であり、新規治療の開発が強く望まれている。一方、癌抑制遺伝子REIC/Dkk-3は、あらゆる悪性腫瘍で発現が低下しており、REIC/Dkk-3遺伝子発現アデノウイルス(Ad-REIC)が岡山大学で開発され、前立腺がん、悪性中皮腫に対して臨床試験が行われている。そこで、細胞特異的遺伝子導入システムにより作成されたマウスDIPGモデルに対して、Ad-REICを腫瘍内投与することで生存期間が延長するかどうかを確かめることを本研究の目的としている。
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研究成果の概要 |
悪性グリオーマ細胞株を用いて脳幹に定位的に注入したマウス脳腫瘍モデルの作成を行った。Ad-REICの毒性試験に関しては、ヌードマウス(Balbc nu/nu)や免疫正常マウス(C57BL6)の脳幹に、段階的にウイルス量を上げてAd-REICを投与し、毒性がないことを確認した。Ad-SGE-REICを用いた実験に関しては、当研究室でAd-SGE-REICとbevacizumabの併用に関する基礎実験を行い、その結果を論文にして、publishされた。また、研究代表者が米国で行っていたOlig2発現前駆細胞をターゲットにしたびまん性橋膠腫モデルに関する研究結果を論文にして、publishされた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
細胞特異的遺伝子導入システムであるRCAS/Tv-aシステムを用いた動物モデルは、発生機序など真のヒトびまん性橋膠腫(DIPG)に近い性質を有している。RCAS/Tv-aシステムで作成したマウスモデルでは、免疫能が正常であることも特徴の一つである。一方、Ad-REICを用いた遺伝子治療は、悪性神経膠腫に対して臨床試験が開始されたばかりで、将来性がある治療である。本研究は、細胞特異的遺伝子導入システムにより作成されたマウスDIPGモデルを用いることでさらにヒトDIPGの理解を深め、Ad-SGE-REICに関する基礎研究の成果は、今後の臨床応用に生かされると考えている。
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