研究課題/領域番号 |
20K17950
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56010:脳神経外科学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
伊藤 嘉朗 筑波大学, 医学医療系, 講師 (90733014)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 脳挫傷 / FGF-2 / PGA / FGF-2徐放システム / FGF-2徐放性PGA / FGF-2徐放性人工硬膜 |
研究開始時の研究の概要 |
FGF-2は血液脳関門の保護効果などの効果があるが、生物学的活性はきわめて短い。人工硬膜素材であるPGA不織布をプラズマ処理することで、ナノ構造・表面性状制御に基づいてFGF-2の吸着・徐放システムを確立した。本研究では、FGF-2吸着PGAという新規FGF-2徐放性人工硬膜を開発し、脳挫傷モデルにおける二次性脳損傷軽減効果を明らかにする。①FGF-2吸着PGAのFGF-2動態評価、②効果検証、③作用機序解明という3段階で実験を行う。FGF-2、PGAともに臨床利用されており、本研究の成果は臨床応用しやすい。また本研究の知見は脳組織の二次性障害の軽減効果や再生医療の相乗効果も期待される。
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研究成果の概要 |
FGF-2吸着PGAの作製においてはプラズマ処理条件が0.5W/cm2が最も安定的にPGAにFGF-2を吸着させることができた。FGF-2吸着PGAは7日間はFGF-2が徐放され、FGF-2溶液濃度やPGAの枚数によって、徐放されるFGF-2を調整することができた。 Cold induced brain injuryによる脳挫傷モデルに対してFGF-2吸着PGAの効果を検証した。脳挫傷作製直後にFGF-2吸着PGAを脳挫傷部位に直接留置したところ、14日目の組織学的評価では脳挫傷周囲に神経前駆細胞の増加とVEGF陽性細胞の増加を認めた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
脳挫傷の一次脳損傷に対する治療法は確立されておらず、神経後遺症をきたす主な原因となっている。本研究では急性期にFGF-2吸着PGAを用いることで神経前駆細胞の増加を認めたことから、脳挫傷の一次脳損傷に対する新規治療法となりうる可能性がある。また脳挫傷以外の二次性脳障害に対しても神経機能回復としての新規治療として期待できる。
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