研究課題
若手研究
動脈硬化に関与する自己抗体が存在する可能性を背景に、発現クローニング法により脳梗塞に対する抗体マーカーを同定してきた。新たなマーカーを同定していく中で、動脈硬化を反映するマーカーと脳虚血に特異的なマーカーが存在することがわかった。これらを応用すると、動脈硬化の進行により脳梗塞発症リスクを判定できるだけでなく、血栓症か塞栓症か、脳梗塞の病型を判別できる可能性が見出された。本研究では、脳梗塞病型に応じた新たな抗体マーカーを同定するとともに、既知のマーカーとも組み合わせて脳梗塞マーカーの臨床応用を図る。これにより脳梗塞の発症予測と病型診断が可能となり、日常診療へ貢献できることを確信している。
新たなマーカーを同定する中で、本研究期間に12マーカーに関する9つの論文を発表した。それぞれのマーカーには、脳梗塞のみならず、動脈硬化関連疾患や各種がんにおいても有意に上昇するという特徴があり、有用なマーカーと考えている。また、今までのマーカーを複数組み合わせることで診断精度が上がるか検証し、単独マーカーより高い精度で脳梗塞発症を予測できる結果が得られた。タンパク機能解析や機械学習を取り入れることでさらに診断精度が高くなることも実証できたため、臨床応用へ進めていく。
脳梗塞に関与するバイオマーカーは確立しておらず、本研究で得られたマーカーは新規性が高い。さらにマーカーを組み合わせることで高い精度で脳梗塞発症を予測できることがわかり、予防が重要な脳梗塞診療においてマーカーの優位性は高いと考える。
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すべて 雑誌論文 (9件) (うち国際共著 5件、 査読あり 6件、 オープンアクセス 6件) 学会発表 (26件) (うち招待講演 4件)
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