研究課題/領域番号 |
20K17955
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56010:脳神経外科学関連
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
岡田 正康 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (00626492)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 神経成長因子 / てんかん / 神経成長 / リン酸化 / リン酸化プロテオミクス / 海馬硬化症 / GAP-43 / 異常神経回路 / てんかん原生機構 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、申請者らが発見した新規神経成長マーカー分子であるGAP-43 T172のリン酸化が、難治性内側側頭葉てんかんの原因である海馬硬化症の異常神経回路形成とどう関係し、 さらにGAP-43 T172のリン酸化制御がてんかん病態を抑制する治療法となりうるかを明らかにする目的で研究計画を立案した。
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研究成果の概要 |
申請者らが齧歯類の神経成長研究から明らかにした神経成長関連因子GAP-43 T172(霊長類ではT181) とS142(霊長類ではS151)に関し、本研究はヒトを含む霊長類の神経発達時にGAP-43 T181とS151がリン酸化することを発見した。異常神経回路が形成され難治性てんかんとなる海馬硬化症病理標本においてヒトGAP-43 T181のリン酸化検出抗体が変性中の海馬歯状回に残る神経回路を描出でき、この抗体が染色される部位に海馬硬化症の生鮮脳スライス標本を用いたフラビン蛋白蛍光イメージングによるSingnal changeを認め、機能的にも異常回路が描出できるマーカー抗体である成果を得た。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、GAP-43という神経成長関連因子に関し、ヒトを含む正常神経細胞の成長や再生に関わるリン酸化部位とその制御キナーゼを初めて明らかにした。またその制御メカニズムが、難治性てんかんとして現在外科治療で治療されている内側側頭葉てんかんである海馬硬化症の海馬摘出標本においても認められ、後天的な異常神経回路形成においても、正常な神経発達のメカニズムが機能していることを明らかできた。今後こうした研究により、「てんかん」原生となる異常な神経回路形成そのものを抑制する治療法の開発が期待される。
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