研究課題/領域番号 |
20K17958
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56010:脳神経外科学関連
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
神尾 佳宣 浜松医科大学, 医学部附属病院, 助教 (10829716)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2023年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | Dietary iron restriction / Intracranial aneurysm / Iron accumulation / Macrophage infiltration / Reactive oxygen species / 鉄制限 / 酸化ストレス / 炎症細胞 / 鉄制限食 / フリーラジカル / 脳動脈瘤破裂 / 鉄集積 |
研究開始時の研究の概要 |
高血圧、糖尿病、脂質異常などは細胞内に鉄イオンを取り込みやすい状態になっています。過剰な鉄イオンの集積は組織内で有害な作用を引き起こすと考えられます。子脳動脈瘤の破裂にも鉄イオンの集積が関与していると報告があり、本研究の目的として鉄イオンの集積を抑制することで脳動脈瘤破裂の予防効果の検証を行います。
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研究実績の概要 |
最終年度では鉄制限食群とコントロール食群の2群におけるマウス脳血管を採取して、RT-PCRを用いて脳血管の炎症性変化を評価した。鉄制限食群において炎症性サイトカインであるNF-kBおよびTNF-αの有意な低下を認めた。一方でMMP-9, IL-1bは2群間で有意差は認めなかった。鉄制限には炎症性サイトカイン抑制効果があることを示した。本研究を通してマウス脳動脈瘤モデルを用いた研究において、鉄制限食群とコントロール群の2群での脳動脈瘤形成および破裂比較試験を行い、鉄制限食群において脳動脈瘤破裂を有意に抑制する結果となった。さらに血清フリーラジカル代謝産物であるd-ROMsの測定を行い、鉄制限食+脳動脈瘤誘発群においてコントロール食+脳動脈瘤誘発群と比較してフリーラジカルを抑制することを示した。最後に2群の脳動脈瘤組織を採取して、鉄染色(Beerling blue染色)、炎症細胞(CD68)染色、および酸化ストレス(8-hydroxydeoxyguanosine , 8-OHdG)染色を行なった。免疫染色において、鉄制限食群の脳動脈瘤では鉄陽性エリア、酸化ストレス陽性細胞、炎症細胞陽性エリアともに有意に低下していることを示した。以上より鉄の脳血管壁への集積が酸化ストレスの産生に関与しており、鉄制限を行うことで鉄の集積および炎症細胞の集積を抑制することがわかり、脳血管の変性において鉄イオンが重要な触媒であることがわかった。
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