研究課題/領域番号 |
20K17962
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56010:脳神経外科学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
永島 吉孝 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (20867684)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | H3F3A遺伝子変異 / 脊髄アストロサイトーマ / ddPCR / i-densy解析 / 脊髄星細胞腫 / 脊髄髄内腫瘍 |
研究開始時の研究の概要 |
脳脊髄腫瘍の診断は、特徴的な病理形態に基づいた診断と特定の遺伝子異常の有無を組み合わせた統合診断が推奨されている。病理形態診断は染色システム等の技術向上により術中迅速診断が可能になっている一方で、迅速遺伝子診断は未だ開発途上であり、実用化されていない。予後が不良であり、かつ神経障害を起こしやすい脊髄腫瘍の手術には術前、術中に腫瘍の性質を十分に把握するための情報が不可欠である。術前、術中にH3F3A変異を同定することで、術後の計画を想定した上で手術戦略を検討できると考え、解析の構築を目指した。
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研究成果の概要 |
この研究は、脳脊髄腫瘍の診断と治療戦略において、特定の遺伝子異常が重要な分子マーカーとして機能することを明らかにしています。具体的には、H3F3A遺伝子変異が予後不良マーカーであることが特定されました。術中に得られる検体が少ないという問題に対処するため術中にH3F3A遺伝子変異を同定することで、より精確な診断と適切な手術戦略を立案することが可能になります。 研究では、名古屋大学で保存されている髄液検体と腫瘍検体からDNAを回収し、H3F3A遺伝子変異の有無を確認しました。この方法はH3F3A遺伝子の特定の変異を高感度かつ迅速に検出できるものであり、脊髄星細胞腫を含む脊髄腫瘍の診断に有用です。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
この研究は、脳脊髄腫瘍診断と治療戦略における遺伝子異常の役割を深く掘り下げ、特に脊髄アストロサイトーマにおけるH3F3A遺伝子変異の重要性を明らかにしました。学術的には、脊髄腫瘍の分子生物学的理解を進展させました。社会的には、迅速かつ高感度な診断技術の開発により、手術戦略の精密化と治療成績の改善が期待され、患者の予後向上に直結することが期待されます。遺伝子プロファイリングに基づく個別化医療の推進により、脊髄腫瘍患者にとってより適切な治療選択が可能となり、医療の質の向上に貢献することでしょう。
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