研究課題/領域番号 |
20K17967
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56010:脳神経外科学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
竹中 朋文 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (60869527)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | ワーラー変性 / 解糖系 / アデノシン3リン酸 / ミトコンドリア / モノカルボン酸 / ATP / シュワン細胞 / TCA回路 / NMNAT2 / NAD / 軸索変性 |
研究開始時の研究の概要 |
神経損傷に伴う損傷遠位の軸索断片化(ワーラー変性)の生化学的経路、特にエネルギー通貨であるATP(アデノシン3リン酸)の動態については不明な点が多い。本研究では、ATP量をリアルタイムで測定できる細胞内ATP可視化ラットを用いて、末梢神経損傷時におけるATP量の時間的空間的変化を明らかにするとともにその生化学的経路を解明し、軸索変性疾患・神経損傷に対する新たな治療法の可能性を示すことを目的とする。
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研究成果の概要 |
ワーラー変性(WD)の病態の構成因子の一つとしてアデノシン三リン酸(ATP)が知られているが、ATP産生に関わるエネルギー代謝経路は未解明な点が多い。そこで本研究は、細胞内ATPのin vivoイメージングを利用し、WDにおけるATPのエネルギー代謝経路の変化の解明を目的とした。末梢神経遠位では、シュワン細胞内の解糖系亢進に伴い産生されたピルビン酸が、MCTを介して軸索に輸送され、軸索内にて解糖系亢進によって代謝され、ATP維持・WD遅延に関連する可能性が示された。一方クエン酸回路の関連は乏しいことも示唆された。本研究の更なる発展は、WDに対する新規治療開発に貢献する可能性が期待される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、ワーラー変性におけるエネルギー代謝(ATP)の詳細な動態に加え、今まで明らかにされていなかったエネルギー産生に関わる経路を明らかにした。ワーラー変性は、代表的である末梢神経の損傷以外にも脳卒中や変性疾患など、ほぼすべての神経系疾患において共通してみられる病態である。したがって、本研究の発展によって、これら神経系疾患に対する病態の理解が進むとともに、将来的な創薬・治療開発に寄与する可能性が期待できる。
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