研究課題/領域番号 |
20K17970
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56010:脳神経外科学関連
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
杉本 至健 山口大学, 医学部附属病院, 助教 (30786075)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | Spreading depression / Spreading depolarization / CSD / optogenetics / MCAO / 広汎性脱分極 / PID / 拡延性抑制 / 脳虚血 / 皮質拡延性抑制 |
研究開始時の研究の概要 |
脳虚血時に出現する広汎性脱分極(CSD: Cortical Spreading depolarization) は虚血巣の拡大を引き起こすと報告されている。一方で、CSDの神経細胞保護作用も示唆され、CSDが神経細胞や血液脳関門において保護的に働くか、あるいは傷害的に働くのかについては結論が出ていない。CSDの中枢神経系病態に与える影響について結果を複雑にしている原因の一つとして、研究手法(CSDの誘発方法)が極めて侵襲的であることが挙げられる。本研究では非侵襲的な手法(Optogenetic法)でCSDを誘発し、組織障害を評価する。
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研究実績の概要 |
CSDは脳梗塞巣を増大させる。この仮説は、脳梗塞体積とCSDの出現数が相関することと、人為的に誘発したCSDが脳梗塞巣を増大したという2つの実験結果に由来する。しかしながら、塩化カリウム滴下、電気刺激、Pinprick、エンドセリンの脳表への滴下などこれまで報告されているCSD誘発方法はそれ自体が侵襲的であり、組織損傷を来す。本研究はOptogeneticsで非侵襲的に誘発したCSDが脳虚血において保護的に働くか傷害的に働くかを明らかにすることを目的とする。本目的を達成するためにまずOptogenetic spreading depolarizationが脳虚血に及ぼす影響を検討した。すなわち神経細胞にchannelrhodopsin-2(ChR2)を発現したトランスジェニックマウス(Optogeneticマウス)にMicrovascular clipを用いて脳梗塞を作成し、1時間の脳虚血中にIntactな頭蓋骨の上から光刺激 (optogenetic stimulation (470 nm, 1-2 mw, 10秒) を行い、繰り返しOptogenetic CSDを誘発させた。48時間後の脳梗塞体積を、CSDを追加(誘発)しなかった対照群と比較し、CSDが脳梗塞に及ぼす影響を検討した。1時間の虚血の間にOptogenetic CSD群は対照群と比較し5倍のCSDを生じた。しかしながら、Optogenetic CSD群の48時間後の脳梗塞体積は対照群と比較し有意差を認めず、むしろ小さくなる傾向を認めた。Optogeneticsで非侵襲的に誘発したCSDは脳虚血を増悪させなかった。これまでのCSD誘発方法自体が脳虚血に対し有害であった可能性がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
CSDが脳虚血において保護的に働くか傷害的に働くかを明らかにするためにまずOptogenetic spreading depolarizationが脳虚血に及ぼす影響を検討した。 Optogeneticsで非侵襲的に誘発したCSDは脳虚血を増悪させなかった。CSDの誘発方法自体が有害である可能性を明らかにするために、計画の通り塩化カリウムで Optogeneticマウスに誘発したcortical spreading depolarizationが虚血に及ぼす影響やCSDによるPreconditioning効果を検討したいと考えるがCOVID流行によ る臨床業務負担増により進んでいない。現状までのデータで英文誌投稿を行った。
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今後の研究の推進方策 |
Optogeneticsで非侵襲的に誘発したCSDは脳虚血を増悪させなかった。同様の検討を有害刺激である塩化カリウム滴下によるCSD誘発でも検討する。また計画のと おり、可能であれば別のコホートで脳梗塞作成の48時間前に光刺激でCSDを誘発し、その後脳梗塞を作成し脳梗塞体積を評価することにより、CSDの神経細胞保護 作用(Preconditioning効果)も検討する。
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