研究課題/領域番号 |
20K17971
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56010:脳神経外科学関連
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
山口 泉 徳島大学, 病院, 特任助教 (70780005)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | PD-1 / PD-L1 / FKBP5 / glioblastoma / COX-2 / CSN5 / Glioblastoma |
研究開始時の研究の概要 |
脳腫瘍の中で最も悪性度の高い膠芽腫(Glioblastoma, GBM)は治療抵抗性が高く、診断後の平均余命は14.6カ月であるため、早急な新規治療法の確立が要望されている。申請者らのグループは悪性度の低いヒト悪性神経膠腫細胞に対するCOX-2阻害薬単剤の殺細胞効果と作用機序および膠芽腫モデルマウスにおける抗腫瘍効果をこれまで報告しており、抗PD-1抗体の効果増強を図るためにCOX-2阻害薬併用を試みた。本研究では、GBM細胞およびGBMモデルにおける抗PD-1抗体医薬とCOX-2阻害薬併用による抗腫瘍効果増強作用とそのメカニズムを解明し、臨床応用への可能性を評価することとした。
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研究成果の概要 |
抗PD-1抗体とセレコキシブの併用療法は悪性グリオーマモデルマウスにおいて抗腫瘍効果を増強した。セレコキシブはFKBP5を介した転写後の制御により、Glioma stem cells、グリオーマモデル、ヒトグリオーマ細胞においてPD-L1蛋白発現を低下させた。抗PD-1抗体とセレコキシブの併用療法は、glioblastomaに対する新たな治療方法となる可能性がある。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
FKBP5制御を介したPD-L1の蛋白発現低下が抗腫瘍効果増強に寄与している可能性があり, 抗PD-1抗体医薬との併用療法におけるFKBP5の制御は新たな治療標的となる可能性がある.PD-1抗体を含めた免疫チェックポイント阻害剤は非常に高価であり、それらの併用療法はさらに高額な費用がかかる。そのため日本のみならず世界の医療財政を圧迫し、誰もが恩恵を受けられる治療とはならない可能性が危惧される。選択的COX-2阻害剤(セレコキシブ)は、鎮痛薬として承認されている薬剤であることや、治療費という観点からも医療経済効果においても非常に有用と考えられる。
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