研究課題/領域番号 |
20K17972
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56010:脳神経外科学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
三月田 祐平 九州大学, 大学病院, 助教 (00848640)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | グリオーマ / DNAメチル化 / エピゲノム / H3F3A / ヒストン / H3F3A遺伝子 / 次世代シークエンス / PBAT法 |
研究開始時の研究の概要 |
次世代シーケンサー技術の飛躍的な進歩により、癌をはじめ様々な生体現象の理解が進むようになった。Post-bisulfite adapter tagging (PBAT)法は高精度な全ゲノム的DNAメチル化解析 (Whole-genome bisulfite sequencing: WGBS)の新たな手法である。我々は最近このPBAT法を改良することで、より高効率に良質なメチロームデータを得ることに成功した。本研究では改良型PBAT法を用いたWGBSを中心に、臨床検体を用いたエピゲノムおよびトランスクリプトーム解析を行うことでグリオーマの未知の病態解明および新規治療アプローチの開発に繋がる知見を獲得することを目的とする。
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研究成果の概要 |
PBAT法を用いた全ゲノム的DNAメチル化解析を中心にH3F3A遺伝子G34変異グリオーマのエピゲノム解析を行った。G34変異群ではゲノム全体でのCpG低メチル化およびCpGアイランド(CGI)の高メチル化を示すことや、テロメア近傍でのCGI高メチル化現象が相対的に減弱していることを同定した。独立成分分析によりG34変異グリオーマ特異的なメチル化シグナルを抽出し、同変異をもつ骨腫瘍においても共有されていることを確認した。ChIP-seqによりこのシグナルがG34変異ヒストンH3.3の局在と関連性をもち、細胞株で同変異をノックアウトすることでこのシグナルが一部可逆性をもつことが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で得られたデータは本邦最初のグリオーマの全ゲノム的メチル化データであり、G34変異グリオーマについて世界最初のものとなった。これらのデータセットはJapanese Genotype-phenotype Archiveへデータ登録しており、後発研究に利用可能である。今回得られた知見はH3F3A遺伝子G34変異によって生じた変異ヒストンの局在の特徴やDNAメチル化に及ぼす影響を解明する一助となり、将来的に同変異をターゲットとした治療法の開発につながることが期待される。
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