研究課題/領域番号 |
20K17978
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56010:脳神経外科学関連
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
劉 美憬 東京女子医科大学, 医学部, 助教 (10770985)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 細胞シート / 間葉系幹細胞 / 脳梗塞 / ペリサイト / 細胞移植 |
研究開始時の研究の概要 |
脳梗塞モデルに対する他家脂肪由来間葉系幹細胞シート移植は、血管新生能と神経再生能によって運動障害の改善をもたらすことが証明された。細胞シートとして移植した幹細胞は、虚血脳で機能的血管新生を誘導し、ホスト虚血脳実質へ遊走した。移植細胞はホスト脳内で多能性幹細胞の特徴を持つペリサイトとしても生着していた。これにより、移植細胞自身が新規細胞として障害部で機能する可能性が示され、細胞シート移植が真の意味での細胞置換療法となる可能性を秘めていることが示唆された。脳梗塞患者への臨床応用へ向けて、本研究では更なる治療メカニズムの解明と、より治療効果の高い純化した細胞シートの開発を目指す。
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研究実績の概要 |
神経幹細胞の発見に伴い神経再生研究は急速に発展してきたが、脳梗塞がもたらす重度後遺症は未解決の重大な課題である。近年では幹細胞を用いた細胞療法の報告が多くされるようになり、中でも間葉系幹細胞はその胚葉を越えた神経細胞への分化能や、脳保護効果のあるサイトカイン分泌能から、新たな細胞ソースとして特に注目されている。 我々は新たな移植法として脳梗塞動物モデルにおける他家間葉系幹細胞シート移植の有効性を報告し、細胞シート移植による機能的血管新生と神経再生をもたらすことを既に示しているが、慢性虚血モデルに対する移植の治療効果はこれまで検討されていなかった。また、細胞シート移植の安全性として痙攣誘発リスクに関しても検討が無かった。本研究は慢性虚血モデルラット(両側頚動脈結紮)を用いて、脳梗塞に対する細胞シート移植の治療効果を検討し、その安全性を評価することが目的である。持続脳は測定ロガーを用いた、細胞シート移植後の脳波測定を施行した。 一方で、機器の埋め込みに伴う感染などもあり、十分な数の測定結果が得られなかった。そのため、実験プロトロールの変更を要した。実験計画の再検討に伴い、継続した動物実験ができない状況が続いた。また、慢性期脳虚血モデルの問題点として、脳梗塞症状の自然回復が認められる群も存在することが分かり、比較的長期間の行動評価方法において課題が残る結果となった。 今後は安定した測定方法の確立を達成した後で、順次、細胞シートの移植実験、行動評価、脳波測定へ移っていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
実験動物の脳波測定を目的とした機器埋め込みに伴う感染などもあり、十分な数の測定結果が得られなかった。そのため、実験プロトロールの変更を要しており、当初の実験計画と異なった進捗となっている。
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今後の研究の推進方策 |
適切な測定装置の埋め込み方法の確立、その後の脳波測定、行動実験などを通じて、次年度以降は慢性脳虚血モデルに対する間葉系肝細胞シート移植の有効性と安全性を検討していく予定である。
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