研究課題/領域番号 |
20K17992
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
上岡 顕 金沢大学, 医学系, 協力研究員 (60823010)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 大腿骨頭壊死 / 脂肪幹細胞 / 白色家兎 / 変形性関節症 / 特発性大腿骨頭壊死症 |
研究開始時の研究の概要 |
特発性大腿骨頭壊死症は厚生労働省の特定疾患に指定されており、大腿骨頭が壊死、関節が変形し、股関節痛ならびに歩行困難を呈する疾患である。従来法である培養脂肪幹細胞を用いた方法では、壊死部に脂肪幹細胞が生着しにくい難点があった。本研究では、申請者らが開発したシート状脂肪幹細胞を用い、壊死部に留まり続けることを可能し、より良好な壊死部の修復を促すことを期待する。 家兎を用いた骨壊死モデルに、シート状脂肪幹細胞と、従来法の培養脂肪幹細胞を移植し、シート状幹細胞が、従来幹細胞投与よりも、病巣にとどまり、修復を促進する効果があるかを検証する。
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研究成果の概要 |
脂肪組織由来体性幹細胞(ADSC)の培養、シート作成に関しては、再現性の高いものとなった。白色家兎を使用した大腿骨頭壊死モデルの作成も可能であったが、壊死範囲にはばらつきが生じていた。ADSCとADSCシートを用いた群間では、壊死の再生程度において統計学的に有意といえる差までは認めなかった。壊死モデル作成において、壊死領域にもばらつきが生じやすく、その点も結果のばらつきにつながったと考えられた。モデルのばらつきが小さくなると考えて、白色家兎を用いた変形性関節症モデルを作成し、軟骨欠損の再生過程について調査した。ADSCシートが軟骨再生に寄与するのではないかと示唆される結果を得た。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
特発性大腿骨頭壊死症は大腿骨頭が壊死し、関節が変形・破壊する疾患であり、強度な股関節痛ならびに著しい歩行困難を呈する。厚生労働省の特定疾患に指定され、明らかな原因は不明、治療に難渋する疾患である。関節を温存する根本的な治療法はなく、従来法である培養脂肪幹細胞を用いた治療成績は、満足がいくものではない。本研究では統計学的な有意差を認めるまでの結果は得られなかったが、ADSCシートによる治療効果の向上を示唆する所見はあり、手技の一定化や工夫でより良い結果を得られる可能性がある。なによりも、新たな治療法の開発に向けた取り組みには一定の意義があったと考えられる。
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