研究課題/領域番号 |
20K17998
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
福田 康治 神戸大学, 医学研究科, 医学研究員 (70579325)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | p21 / 関節リウマチ |
研究開始時の研究の概要 |
関節リウマチ(RA)は滑膜組織が異常増殖し関節軟骨・骨を破壊する炎症性疾患であり、関節破壊の抑制はRA治療の重要な目標である。細胞周期を調整する分子であるp21はRAの炎症を抑制するが、関節軟骨破壊へのp21の関与は明らかではない。本研究では、p21の発現を調節することでRAにおける関節軟骨破壊の抑制が可能であるかを検証する。p21を発現しないマウスの関節炎モデルを用いて、関節破壊の病態を明らかにし、関節軟骨破壊へのp21の関与を明らかにする。またRA滑膜細胞におけるp21の発現を抑制して、炎症や軟骨破壊へのp21の関与を明らかにする。
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研究成果の概要 |
RA滑膜細胞のp21の発現抑制がIL-1βの刺激に対するIL-6, IL-8の上昇、IKKα/β、IκBαのリン酸化の活性化、MMP-3、MMP-9の有意な増加を起こしており、Vivoの実験と同様にヒト滑膜細胞においてもp21ノックダウンによりNF-kB経路を介した炎症の増悪が起こることが示唆された。さらに、RA滑膜細胞におけるp21の発現はOA滑膜細胞と比較し有意に低値であり、RAにおいてp21の発現低下が滑膜炎の増悪に寄与していることが示唆された。p21発現はRAの滑膜炎と関節破壊を抑制する可能性が示唆され、p21発現のコントロールがRAの新たな治療につながる可能性が示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
RAは、滑膜組織が異常増殖しパンヌスを形成して、関節軟骨・骨を破壊する炎症性疾患である。RA治療は早期からのタイトコントロールを目標とされ、生物学的製剤や分子標的薬などが導入されたことにより飛躍的に進歩した。しかし、免疫系を強力に抑制するこれらの治療薬は生体防御に必要な免疫も抑制してしまう。そこで、免疫系を抑制せずに関節炎を制御し、関節軟骨・骨の破壊を抑制する新しいRA治療法の開発が期待されている。我々は、RAにおいてp21の発現低下が滑膜炎の増悪に寄与しており、RAの滑膜炎と関節破壊を抑制する可能性を発見し、p21発現のコントロールがRAの新たな治療につながる可能性を示した。
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