研究課題/領域番号 |
20K17999
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
生田 祥也 広島大学, 病院(医), 助教 (50856086)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 腱修復 / 線維化 / 異所性骨化 / マウスアキレス腱損傷モデル / 細胞老化 / 腱 / 変性 / 修復 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では腱の退行性変化「変性」と腱損傷における腱修復メカニズムの分子機構解明および修復促進を目指した新規治療の開発に向けて、細胞老化と腱修復時の過度の線維化に注目した。老化細胞は肝臓や肺などの組織で細胞周囲組織の変性、線維化を誘導するが、腱組織での病態は未だ不明である。老化促進マウスによる加齢性腱変性モデルと老化促進マウスおよび野生型マウスの腱損傷モデルを作製して、細胞老化と腱変性・線維化および腱修復時の瘢痕形成について解析を行う。
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研究成果の概要 |
マウスアキレス腱損傷モデルでは、瘢痕形成や異所性骨化がみられ、腱修復能の低下が示された。そして、腱組織特異的Dicer遺伝子欠失マウスは腱修復能の低下がさらに顕著に現れた。瘢痕形成や異所性骨化を標的としたレチノイン酸受容体アゴニストの投与によるマウスアキレス腱損傷モデルの解析では、レチノイン酸受容体アゴニストの投与により形態組織学的に良好な腱修復と異所性骨化の抑制を確認した。また単離した腱由来線維芽細胞を使用した実験系において同薬剤の添加は、軟骨分化やサイトカインの発現を抑制させることを確認した。アキレス腱損傷モデルにおいてレチノイン酸受容体アゴニストは、腱修復を促進することが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
腱修復過程における瘢痕形成、異所性骨化は修復腱の強度を低下させ、再断裂のリスクとなるが、これらを直接標的とした腱修復治療はこれまで確立されていなかった。本研究は、腱修復過程の瘢痕形成、異所性骨化に関連する分子機構の一部を明らかにした。さらにレチノイン酸受容体アゴニストの腱修復過程における瘢痕化や異所性骨化の抑制効果を介した腱修復の促進効果を明らかにした。腱の線維化や異所性骨化を標的とした腱損傷に対する新たな治療法への応用が期待できる。
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