研究課題/領域番号 |
20K18007
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
|
研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
岸 真五 奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (50790341)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
|
キーワード | ミトコンドリア繋留分子 / PDZD8 / 骨肉腫 / 活性酸素 / 鉄 / スニチニブ / プテロスチルベン / MAM / ミトコンドリア / 係留因子 / 酸化ストレス / 小胞体 / エネルギー代謝 |
研究開始時の研究の概要 |
PDZD8は最近報告された新規ミトコンドリア―小胞体間テザリング分子であるがその機能は明らかではない。申請者はこの分子の発現低下がミトコンドリア内の2価鉄を著増させATP合成酵素阻害剤に感受性となることを見出した。また、骨肉腫の臨床検体でこの分子の発現の亢進がみられた。以上からPDZD8を介したテザリングサイトはミトコンドリアの鉄代謝に深く関係し悪性腫瘍の代謝、生存に深く関係していることが考えられる。本分子のこのような機能は全く報告されていないものであり、関連シグナルや機能解析を行い治療標的化を目指す。
|
研究成果の概要 |
ミトコンドリアと小胞体を係留し両者の物質移動や代謝に影響を与えるmitochondria-associated membrane (MAM)に注目が集まっている。本研究では、MAMの中でもPDZD8についてその機能を検討したところ、PDZD8タンパクは腫瘍特異的に発現している可能性があり、ミトコンドリアの鉄代謝を制御しROS産生を抑制していることが示唆された。PDZD8の抑制は、ROS産生の増加から抗癌剤やF1F0-ATPaseを阻害するプテロスチルベンの抗腫瘍効果を促進した。SunitinibはPDZD8をoff targetとして抑制する可能性が認められた。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
PDZD8が腫瘍特異的に発現し、その抑制が抗がん剤などの抗腫瘍効果を促進したことは、PDZD8ががん治療における新たな分子標的となることが考えられる。とくに、SunitinibはPDZD8をoff targetとして抑制したことは、今後のPDZD8のシグナル経路の解明の手掛かりとなるとともに、PDZD8を標的とする創薬に繋がる知見と考えられる。
|