研究課題
若手研究
脊柱変形手術(Long Fusion)は非生理的な生体力学環境を生み出すことによる合併症を引き起こしている。Long Fusionにより可動域を失った脊椎の代償として股関節に働く応力の増大があると考えている。本研究は動作解析、有限要素解析を用いて股関節に働く応力やその分布の変化をLong Fusion前後で3次元的に比較検討することで、本病態を解明することを目的としている。
成人脊柱変形術後に急速に進行する股関節症は本術式の合併症の一つであるにもかかわらず、明確な病態が把握されておらず予防するには至っていない。本研究は有限要素解析と動作解析という二つの3次元評価法を用いて、股関節にかかる応力を成人脊柱変形術前後で比較した。有限要素法では骨盤固定を併用した脊椎固定モデルで股関節の応力が増加していた。また、動作解析においても術後に股関節モーメントが増加していた。これらの結果をもって成人脊柱変形術後に進行する股関節症は骨盤固定による隣接関節障害であることが判明した。
成人脊柱変形術後の股関節症は新規発生率が20%であるものの、有効な治療法が確立されていない。本研究結果より本病態は骨盤固定に伴う隣接関節障害であることが判明した。本研究をもとに今後予防法を開発することが期待される。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 3件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (8件) (うち国際学会 1件)
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