研究課題/領域番号 |
20K18016
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
遠藤 健 北海道大学, 大学病院, 助教 (50849148)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | 線維芽細胞 / 軸索再生 / 末梢神経損傷 / 神経突起伸長 / 細胞治療 |
研究開始時の研究の概要 |
末梢神経の再生は、神経軸索とシュワン細胞、炎症細胞等の複数種の細胞による高度な連携を伴うが、神経組織内に存在する線維芽細胞の役割はいまだ不明なままである。特に、末梢神経の最外層に位置して境界を形成するものと、神経組織内部で軸索に近接するものでは、神経が再生する過程で果たす役割は異なると考える。そこで、本研究では、末梢神経を構成する線維芽細胞にも領域に基づく多様性があり、軸索再生に至適な線維芽細胞があるという仮説を検証する。
|
研究成果の概要 |
ラットの神経上膜、神経実質部、皮膚から、線維芽細胞(Fibroblast: Fb)を高純度に採取し、ラット後根神経節神経細胞と共培養した。その結果、末梢神経特異的Fbは、神経突起伸長効果に優れ、中でも神経上膜由来のFbが優れていた。Fbの神経突起伸長効果には液性因子と接着因子の両方が関与していたが、ラット坐骨神経の再生軸索とFbが接着している所見は認めなかった。また、この3種の細胞の分子的特徴は、それぞれ大きく異なっていた。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究結果は、末梢神経由来Fbは皮膚由来Fbよりも神経突起伸長能に優れ、中でも神経上膜由来Fbが神経実質由来Fbよりも優れていること、Fbは神経組織内の局在によって分子的・機能的に異なること、神経上膜由来Fbが末梢神経損傷後の軸索再生に関与している可能性を示し、末梢神経内の局在の異なるFbは、異なる機能を有するという仮説を支持した。Fbは一般的に調製や増殖が容易であることから、細胞治療の材料として探索されてきたが、本研究の知見は、神経組織特異的Fbはこれらの細胞治療材料としての可能性を示している。
|