研究課題/領域番号 |
20K18018
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
吉田 新一郎 東北大学, 大学病院, 助教 (50866548)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 骨軟部肉腫 / メタボローム / バイオマーカー |
研究開始時の研究の概要 |
骨軟部肉腫は骨や軟部組織に発生する非上皮性悪性腫瘍である。稀な疾患だが幅広い年齢層に発生し、生命および運動機能喪失の原因となる。骨軟部肉腫には多くの組織型が存在し、同一の組織型であっても病勢や予後が異なることが珍しくなく、有効なバイオマーカーの確立が求められている。代謝産物はセントラルドグマの下流にあることから上流の遺伝子やタンパクよりも表現型に近く、バイオマーカーとして有用とされているため、代謝経路・代謝産物を網羅的に解析するメタボロームを用いたバイオマーカー探索が盛んに行われている。本研究は、メタボローム解析を用いて骨軟部肉腫のバイオマーカーの探索を行うものである。
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研究成果の概要 |
本研究では、メタボローム解析を用いて骨軟部肉腫のバイオマーカーの探索を行うことを目的とした。手術で摘出した骨軟部肉腫のサンプルをメタボローム解析することでその代謝経路の変化を確認し、患者情報や術後経過との関連を評価することで、予後予測マーカーを明らかにする方針であった。そのため、研究開始時期から継続的に、骨軟部肉腫の患者情報や患者サンプルの採取・集積を行った。効率的にメタボローム解析を行うためには、同一組織型を一定数集積して行う必要があるが、骨軟部肉腫は稀少疾患のため、同一の組織型のサンプルが複数集まるのには時間を要し、バイオマーカーとなる変化をとらえるだけの十分な結果は得られなかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、骨軟部肉腫のメタボローム解析によるバイオマーカー探索を行ったが、数の少ない同一組織型のサンプルを用いるのみでは、有用なバイオマーカーとして提案しうる十分な結果を得ることができなかった。しかし、本研究を行うにあたり確立したデータベースを用いた臨床研究では、高齢者の軟部肉腫の手術で切除マージンが十分確保できなかった症例に対して放射線照射を追加することの意義や、骨軟部肉腫の手術待機期間と治療成績のには有意な関連がないことを確認した。これらの結果は、侵襲の大きな手術が許容されない高齢者における治療方針の選定や、手術時期の選定など、学術的・社会的意義のあるものであった。
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