研究課題/領域番号 |
20K18023
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
箭原 康人 富山大学, 学術研究部医学系, 助教 (60456390)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 破骨細胞 / 造血幹細胞 / 卵黄嚢 / マクロファージ / 骨傷 / 老化 / 骨形成 / 骨折 / 骨折修復 / 骨修復能 / 若返り / 骨傷治療 |
研究開始時の研究の概要 |
「老化」に伴って骨修復能は低下する。骨修復能の低下は、骨折後の骨癒合不全の原因となるだけでなく、身体機能の低下を引き起こし問題となる。しかし、老化によって骨修復能が低下する機序は分かっていない。我々は、若年マウスのマクロファージが分泌するLipoprotein receptor-related protein 1 (Lrp1)が老年マウスの骨修復能を「若返らせる」ことを見出し報告してきた。本研究では、経年的に変化するマクロファージの構成や機能、その分泌蛋白に着目し、骨修復能を増強しえる新たなシステムを構築し、骨修復能の「若返り」を目指した骨傷治療に対する新規治療戦略の創出を目指す。
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研究成果の概要 |
老化に伴って骨修復能や骨リモデリング力は低下する。しかし、その機序は不明であった。本研究の成果として、骨修復に寄与する胎児卵黄嚢由来破骨細胞の存在を新たに発見した。胎児卵黄嚢に発生したマクロファージは胎生期に骨へと移行し骨吸収を担当する破骨細胞へ分化した。胎児マクロファージに由来する破骨細胞は長期に渡って生後の骨に在住し、骨の恒常性維持に関与していた。さらに一旦、骨損傷が起こると、その修復過程の亜急性期から慢性期にかけて局所へと遊走し、損傷後の骨リモデリングに関与することが明らかとなった。胎児由来破骨細胞の存在は、経時的な骨リモデリング力の変化に寄与する可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の成果として、マクロファージおよび破骨細胞には、造血幹細胞と胎児卵黄嚢を起源とする二種類の細胞集団が存在することを世界に先駆けて発見し報告した。起源の異なる二つの破骨細胞は複雑に細胞融合を繰り返しながら、相互に影響しあうことで、骨の再構築を駆動し、その恒常性維持に関わっていた。新しい破骨細胞分画が発見されたことで、破骨細胞の活性化や機能障害によって発症する疾患の病態解明につながる重要な成果と考えられた。
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