研究課題/領域番号 |
20K18025
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
米澤 宏隆 金沢大学, 附属病院, 医員 (20818942)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 骨軟部腫瘍 / 末梢神経 / 自家神経移植 / 悪性軟部腫瘍 / 神経再生 / 一期的神経再建 / 担癌神経グラフト |
研究開始時の研究の概要 |
悪性軟部腫瘍の標準治療は、腫瘍広範切除術である。悪性軟部腫瘍に神経が巻き込まれている場合は、神経も切除せねばならない。神経機能の回復を見込むためには自家神経移植や人工神経移植を行わざるを得なかった。しかし、自家神経移植を行えば、採取部の神経障害が必発となる。海外ではすでに同種移植が行われているが、抗原性が問題であり、本邦では同種移植は認可されていない。今回の研究により、腫瘍塊に巻き込まれた自家神経を殺細胞処理し、再建に利用する液体窒素処理自家神経移植法が確立すれば、抗原性に支障のない自家神経移植の即時再建が可能となり、悪性軟部腫瘍治療のストラテジーが変わり、患者の機能予後に大きな福音となる。
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研究成果の概要 |
神経に近接する軟部肉腫では,神経の合併切除に伴う神経脱落症状が問題となる.近年は,温存した患肢の「機能」や「生活の質quality of life(QOL)」に注目が集まっている.本研究では,動物実験を行い,液体窒素処理自家神経は,自家神経と遜色ない患肢機能の回復を示した.また,担癌神経グラフトは,液体窒素処理において殺細胞化され,かつ神経再生能力を有していることを示した.本研究成果により将来的にヒトへこの技術が応用されれば,液体窒素処理担癌神経グラフトによる,軟部肉腫広範切除後のよりよい患肢再建術の一助となる可能性がある.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
筋肉や神経,脂肪組織に発生した軟部肉腫の標準的な治療方法は手術であり,しかも軟部肉腫を正常組織で包み込むようにして切除(広範切除)することが必要となる.広範切除を行うにあたり,十分な切除縁を得るためには,ときに神経も合併切除する必要がある.本実験は,担癌神経グラフトを液体窒素処理し再利用する手術方法を考案した.この方法がヒトに応用できるようになれば,自家神経移植のように採取部の障害がなく,さらに切除した長さと等長の神経グラフトを得ることができ,軟部肉腫広範切除後の患肢再建の一助となることが予想される.
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