研究課題/領域番号 |
20K18026
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
米澤 則隆 金沢大学, 医学系, 協力研究員 (10749154)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 転移性脊椎腫瘍 / 脊椎転移 / 腫瘍脊椎骨全摘術 / 凍結治療 / 凍結免疫 / 腫瘍塞栓術 / Abscopal効果 / 塞栓術 / 腫瘍脊椎骨全的術 / アブスコパル効果 / T細胞 / 免疫 / ELISPOT |
研究開始時の研究の概要 |
これまで、転移性脊椎腫瘍に対する腫瘍塞栓術の癌特異的免疫学的上昇効果を検証した報告はない。当教室では転移性脊椎腫瘍に対する腫瘍塞栓術を併用した根治的切除術を多数実施してきたが、腫瘍塞栓術を併用することで術後全身治療を行っていないにもかかわらず、他の転移巣が縮小した症例が散見され、腫瘍塞栓による癌特異的な免疫上昇効果が得られた可能性があることを報告してきた。腫瘍塞栓術を併用した転移性脊椎腫瘍手術の癌免疫上昇効果を科学的に立証するために、患者採血検体および切除した腫瘍検体を用いて、各治療のポイント(初診時、塞栓術後、手術後1か月、3か月)で免疫モニタリングを行い、癌特異的免疫上昇効果を立証する。
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研究成果の概要 |
本研究結果により、液体窒素処理骨移植による凍結免疫のほかに、脊椎腫瘍手術の術前に行う脊椎腫瘍塞栓術による腫瘍壊死効果、壊死による癌免疫上昇効果が明らかとなった。具体的には、癌特異的免疫上昇効果が得られるタイミングは術後1週間から1か月をピークに徐々に漸減していくことが明らかとなった。術前腫瘍塞栓術による腫瘍壊死効果による癌免疫増強効果を確認できた一方で、その効果は限定的であることが明らかとなった。術前塞栓術による免疫上昇効果の経時的傾向をさらに検証することで、抗PD1抗体等の効果的なアジュバント投与の方法が確立される可能性がある。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、脊椎腫瘍手術における術前腫瘍塞栓術の有効性が、手術時の出血のリスクを抑えること以外に、周術期における癌免疫を増強させる効果の2つの意義があることが明らかとなった。今後癌免疫療法の発展にともない、液体窒素処理骨移植と脊椎腫瘍塞栓術の組み合わせは、脊椎転移の根治的治療として、治療の選択肢として有効な選択肢の一つとして有効であると考えられる。免疫チェックポイント阻害薬等のアジュバント物質を適切な方法で追加投与することでがん免疫賦活化の相乗効果が得られ、局所治療に加え全身の遠隔転移巣の治療へと繋がる戦略が重要であると考えられた。
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