研究課題/領域番号 |
20K18030
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
野口 貴志 京都大学, 医学研究科, 助教 (50736642)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 骨折 / 概日リズム / 糖尿病 / メラトニン / 骨癒合 / 時計遺伝子 / 体内時計 / 細胞内代謝 / 偽関節 / 骨代謝 |
研究開始時の研究の概要 |
骨折後の確実な骨癒合の獲得は患者の社会復帰において重要な課題である。 生体の持つ体内時計(概日リズム)は周期的に発現が変化する時計遺伝子が中枢であり、内分泌や神経を通して全身の細胞を同調させている。一方で、体内時計は外的因子によって影響を受けるため、骨癒合を遷延させる環境や促進する環境において時計遺伝子の発現周期や間隔に変動が生じることが報告されている。そこで、薬剤を用いて体内時計を調整し、体内時計の変化によって骨癒合が促進されるかを明らかにし、新たな骨折治療戦略を構築する。
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研究成果の概要 |
生体の持つ体内時計(概日リズム)は時計遺伝子によって制御されている。血圧変化、ホルモン分泌や行動など、概日リズムが反映する。骨折治癒過程でも時計遺伝子の関与が示されている。本研究では、骨癒合遅延モデルとして糖尿病マウスに骨折を作成した。糖尿病では時計遺伝子の発現が変化するが、メラトニン投与により人為的な概日リズム調節を試みて、骨癒合を促進するか正常群含め比較検討した。 結果、正常、糖尿病群、メラトニン投与群で骨折部の時計遺伝子の発現に変化が見られた。しかし、μCT,組織学的評価では、骨癒合遅延はメラトニン投与で改善せず、糖尿病に関連する骨癒合遅延は、糖尿病の治療が重要であると考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
糖尿病は、罹病者数が非常に多い疾患であり、それに関連した有害事象も多い。今回の研究成果は、改めて糖尿病の治療の重要性を示すものであり、骨代謝に対しても糖尿病は多大な影響力を持つ。メラトニン投与により時計遺伝子の発現変化が示されたことは、薬剤投与が時計遺伝子を変動できる可能性を示しており、他の概日リズムによる生体反応への介入に応用できるかもしれない。
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