研究課題/領域番号 |
20K18033
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
井手尾 勝政 熊本大学, 病院, 特任助教 (20868971)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 腱板修復 / scleraxis / SRY-box 9 / Scx/Sox9共陽性細胞 / 線維軟骨性付着部 / Scleraxis |
研究開始時の研究の概要 |
近年、胎生期のマウス腱付着部の発生においてbHLH型転写因子のScleraxis (Scx)とSRY-box 9 (Sox9)を両方発現するScx/Sox9共陽性細胞が付着部形成に寄与することが示されている。しかし、腱板修復術後の修復部におけるScx/Sox9共陽性細胞の参画や機能は不明である。本研究では、Scxの発現をEGFPの発現でモニターすることを可能とした遺伝子改変ラットを用いて、腱板修復術後の修復過程におけるScx/Sox9共陽性細胞の時空間的分布と修復組織形態の関連から、Scx/Sox9共陽性細胞の腱板修復部における線維軟骨形成への関与を明らかにすることを目的とする。
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研究成果の概要 |
本研究では腱板縫合後の腱骨修復過程におけるScxおよびSox9陽性細胞の影響を明らかにするために異なる週齢のScxGFP遺伝子改変ラットの腱板修復モデルを用いて修復過程を組織学的に評価した。その結果, 3-12週齢で正常の線維軟骨層の修復は認めなかったが, 3週齢の術後4週の一部の修復部に軟骨様組織の形成が確認された。また, 生後の成熟および修復過程の早期の腱骨移行部にScx, Sox9陽性細胞と少数の共陽性細胞が確認された。これらの結果から腱骨移行部の成熟過程に存在するScx, Sox9陽性細胞が前駆細胞様の特性を有し, 成体の腱板縫合後の修復過程に限定的に参画している可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
肩腱板断裂は肩関節の機能低下をきたす疾患であり、加齢に伴い増加することが示されている。今後の高齢化社会において手術患者の増加が予想される。腱板修復術後の課題として再断裂や術後長期の固定を要する点が挙げられる。本研究では, 新たな腱板修復促進の標的として, 腱と骨の連結部の前駆細胞の候補として, 発生期に腱付着部の形成に寄与するScx/Sox9共陽性細胞に着目し, 遺伝子改変ラット腱板修復モデルを用いて解析を行った。その結果, 内在性のScx/Sox9共陽性細胞の腱板修復への参画が示唆された。本成果は, これらの前駆細胞を標的とした修復促進治療につながる知見となることが期待される。
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