研究課題/領域番号 |
20K18041
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
鈴木 悟士 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (80573360)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 腰部脊柱管狭窄症 / 酸化ストレス / 抗酸化剤 |
研究開始時の研究の概要 |
腰部脊柱管狭窄症(Lumbar Spinal Stenosis:LSS)は日本整形外科学会の提唱するlocomotive syndromeの三大要因の一つであり、国内患者数は約365万人と報告されている。わが国の高齢化に伴い、患者数は今後更に増加することが予想されるが、現在のところLSSの病態は未だ完全には明らかではなく、LSSの病態を制御しうる新たな治療法を確立することが急務となっている。本研究では手術時に採取したLSSの肥厚変性した黄色靭帯と非変性黄色靭帯とを比較検討することでLSSにおける酸化ストレスの関与を明らかにし、抗酸化剤が新規治療標的になりうるか否かを解明したい。
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研究成果の概要 |
本研究では黄色靭帯肥厚における酸化ストレスの関与を調査し、抗酸化剤であるN-acetyl cysteine(NAC)が黄色靭帯肥厚に対する治療標的となりうるか否かを検証した。ヒト変性黄色靭帯では酸化ストレスが蓄積されており、単離培養した黄色靭帯細胞でも酸化ストレスおよびTNF-α投与により上昇したコラーゲン1型および3型、TNF-αのmRNAは抗酸化剤であるNACを添加することで有意に低下した。同様にプロコラーゲン1型αのタンパクもNACを添加することで有意に抑制されることが判明し、酸化ストレスは黄色靭帯肥厚に関与しており、抗酸化剤投与は腰部脊柱管狭窄症に対する治療をなりうると考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
腰部脊柱管狭窄症(以下LSS)は日本整形外科学会の提唱するlocomotive syndromeの三大要因の一つであり、国内患者数は約365万人と報告されている。わが国の高齢化に伴い、患者数が更に増加することが予想されるが、現在のところLSSの病態は未だ完全には明らかにはなっておらず、確立された治療法は鎮痛薬やPGE製剤などの対症療法、または手術療法に限られていた。本研究の結果から、酸化ストレスは黄色靭帯肥厚に関与しており、抗酸化剤投与は黄色靭帯肥厚が主な病態である腰部脊柱管狭窄症に対する新規治療となりうる可能性があると思われ、高騰する医療費削減の観点からも社会的意義は大きいと考えられた。
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