研究課題/領域番号 |
20K18074
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
木村 洋朗 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (40627048)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 末梢神経再生 / 人工神経 / 神経損傷 / 再生医療 / 神経麻痺 / 末梢神経損傷 / 細胞移植 / シュワン細胞 / 末梢神経 |
研究開始時の研究の概要 |
広範囲末梢神経損傷に対する治療法の第一選択は自家神経移植であるが、採取における様々な問題点を有するため、これまでに様々な人工神経の研究開発が行われてきた。本研究では、2種類の生体吸収性素材から構成され、内部に細胞移植を行うことができる新しい人工神経を用い、ラット坐骨神経広範囲欠損モデル対する移植実験を行う。そして、比較対照群と共に術後の軸索再生や髄鞘形成などの組織学的評価、歩行解析による運動機能評価を行い、神経再生効果を検証する。新規の人工神経と細胞移植を組み合わせたハイブリッド型人工神経により、自家神経移植に匹敵する末梢神経再生効果を示し、早期の臨床応用を目指すことが本研究の最終目的である。
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研究成果の概要 |
外層キトサンハイドロゲル、内層コラーゲンハイドロゲルで構成された人工神経(CCN)を作成した。シュワン細胞をコラーゲン層に封入しラット左坐骨神経欠損部に移植し(CCN+群)、CCN細胞なし群(CCN-群)、同細胞 をシリコンチューブに封入した群(Silicone+群)、自家神経移植群(Auto群)と比較検討した。CCN+群はCCN-群およびSilicone+群と比較して有意な運動機能回復、髄鞘形成を示した。CCN-群とSilicone+群は歩行解析、組織学的解析いずれにおいても有意差を認めず、Auto群は最も優れた回復を示したが、再生軸索断面積に関しては CCN+群と有意差を認めなかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
細胞移植を前提にした生体吸収性の人工神経を作成してラット末梢神経欠損部に移植し、神経再生が促進されたことを示した。現在、細胞移植を前提にした人工神経は存在しないため、本人工神経が臨床応用可能になれば、既存の人工神経よりも良好な神経再生とそれによる機能回復が得られる可能性が期待される。また、現時点での標準治療である自家神経移植術を回避することができれば、神経採取に伴う様々な問題の解決に繋がる。
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