研究課題/領域番号 |
20K18086
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56030:泌尿器科学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
根来 宏光 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (80708595)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 膀胱 / 概日時計 / 排尿 / 睡眠 / 日内リズム / 睡眠障害 / 時間生物学 / 下部尿路症状 |
研究開始時の研究の概要 |
排尿困難や夜間頻尿などの下部尿路症状は年齢とともにその頻度は増加し、高齢化社会の日本にとって対応は急務です。下部尿路症状の大規模かつ縦断的な疫学調査の解析にて、睡眠障害が排尿障害の強いリスク因子となることが判明しました。しかし、睡眠障害が排尿障害を引き起こすメカニズムは不明です。体内時計が排尿に関わっていることがわかってきており、本研究では、体内時計の破綻が排尿障害を引き起こすことを分子生物学的・生理学的に明らかとすることで、排尿障害の予防・治療につなげることを目的としています。
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研究成果の概要 |
慢性的な睡眠障害が日中の排尿に与える影響について、膀胱容量の日内リズムに着目して解析を行った。睡眠障害モデルマウスでは活動期の1回排尿量が減少し、4時間のリズムの前方へのシフトを認め、グルココルチコイドの日内リズムも同様に前方にシフトした。膀胱のRNAseqによる変動遺伝子の網羅的解析では筋肉に関連する遺伝子群が顕著に減弱していた。また、細胞実験から膀胱時計調律因子としてグルココルチコイドの存在を明らかとした。以上の結果より睡眠障害は膀胱平滑筋の機能低下により活動期1回排尿量を低下させ、グルココルチコイドによる膀胱時計機構の破綻も相まって排尿障害を引き起こしている可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
睡眠障害と排尿障害の関連が疫学調査から見出されたが、その機序は不明であった。睡眠障害モデルマウスの結果から、グルココルチコイドによる膀胱時計機能障害とともに、膀胱平滑筋の機能低下が介在することが考えられ、睡眠障害に起因する排尿障害の予防や新たな治療ターゲットに繋がることが期待される。
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