研究課題/領域番号 |
20K18087
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56030:泌尿器科学関連
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
新井 隆之 千葉大学, 大学院医学研究院, 特任講師 (40793055)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | microRNA / miR-499a-5p / 前立腺癌 / 去勢抵抗性前立腺癌 / NCAPG / CDC6 / マイクロRNA / 癌抑制型マイクロRNA |
研究開始時の研究の概要 |
近年、前立腺癌に対する新規治療薬剤開発が進んでいるものの、ホルモン治療に抵抗性を示す去勢抵抗性前立腺癌に至り、その予後は不良である。申請者らはこれまで、未治療前立腺癌および去勢抵抗性前立腺癌臨床検体を用いて、マイクロRNA発現プロファイルを作成した。プロファイルに登場するマイクロRNAを重点的に調べることで、去勢抵抗性前立腺癌に進展していくメカニズムを解明する可能性を秘めている。継続した研究の中で、複数のマイクロRNAによって制御を受けている、重要な癌分子ネットワークも見出しており、去勢抵抗性前立腺癌の有力な新規治療標的の発見につながる、有効な情報を提供することができると考える。
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研究成果の概要 |
我々の前立腺癌マイクロRNA発現プロファイルおよび、公共の遺伝子発現データベースから、非癌、未治療前立腺癌、去勢抵抗性前立腺癌と段階的に発現低下していたmiR-499a-5pに着目した。この制御する有力な癌促進遺伝子として、NCAPGおよびCDC6を同定した。これらは細胞周期に深く関与する遺伝子が、miR-499a-5pにより直接制御を受けており、miR-499a-5pの核酸導入による前立腺癌細胞株における癌抑制的機能を実証した。さらにデータベース解析で、これら標的遺伝子の発現が高い患者はp53の機能喪失を多く認めており、p53がマイクロRNA発現制御の一部を担っている可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の解析対象となるマイクロRNAは、これまで論文報告が殆ど無く、これらマイクロRNAが制御する分子経路の探索は、学術的新規性を有している。また、本研究成果で得られたマイクロRNAや分子は、前立腺癌および去勢抵抗性前立腺癌における新規予後バイオマーカーや新たな治療標的としての可能性を秘めている。我々のこれまでの継続した研究の中で、複数のマイクロRNAの制御を受ける有力な癌遺伝子を見出しており、前立腺癌の分子機構解明に有益な情報を提供できると考える。
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