研究課題/領域番号 |
20K18097
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56030:泌尿器科学関連
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
山口 一行 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 医員 (80848317)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 腫瘍 / 腫瘍免疫 / PHD阻害薬 / マクロファージ / がん / 低酸素誘導因子 |
研究開始時の研究の概要 |
悪性腫瘍内は低酸素環境下にあり、低酸素誘導因子(HIF) が転写因子として恒常的に活性化し、がんの進展や転移に関与する。また、腫瘍内に存在するマクロファージ(Mφ) は腫瘍の増殖や転移を促進し、がん患者の生命予後を悪化させる一方、正常な自然免疫細胞として作用する場合には腫瘍進展の抑制に関与するとされる。 申請者らは腫瘍移植モデルマウスにプロリル水酸化酵素阻害薬(PHDi) を投与すると、腫瘍内MφのHIFが上昇し、腫瘍増大が抑制されることを明らかにしているが、その詳細機序は不明のままである。 そこで本研究は、Mφ特異的なHIF遺伝子改変マウスを用いて腫瘍内MφにおけるHIFの機能解析を行う。
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研究成果の概要 |
本研究では腫瘍移植モデルマウスに対しプロリン水酸化酵素(PHD)阻害薬の投与により、腫瘍内マクロファージによる腫瘍増大抑制が生じる機序について検討を行った。PHD阻害薬の投与により腫瘍組織内マクロファージの低酸素誘導因子(HIF)、特にHIF-1αが優位になることにより、腫瘍内マクロファージの遺伝子発現は炎症に関わる遺伝子発現を誘導するとともに、マクロファージの極性に関わる遺伝子の発現変化も誘導することが示唆された。これらの炎症性マクロファージの表現型に関わる遺伝子発現により腫瘍抑制性の表現型をとる可能性が考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
治療抵抗性腫瘍は殺細胞性化学療法のみならず免疫チェックポイント阻害剤の奏効率も低い。また、治療抵抗性腫瘍においては腫瘍組織内に多くのマクロファージが浸潤しているとされており腫瘍進展、治療抵抗性に寄与しているとされる。腫瘍組織内マクロファージの表現型を変化させることは治療抵抗性を変化させるとともに、既存の化学療法・免疫チェックポイント阻害薬への感受性を改善することにつながるものと考えられる。また、これらのことは治療抵抗性腫瘍に対する治療戦略の開発だけでなく治療選択肢の拡大につながるものと考える。
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