研究課題/領域番号 |
20K18109
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56030:泌尿器科学関連
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
田中 一 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 講師 (50748358)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2020年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
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キーワード | 局所進行腎細胞癌 / 転移性腎細胞癌 / 淡明細胞型腎細胞癌 / 腎実質内浸潤/進展 / 浸潤性増殖 / 腎細胞癌 / 発育形態 / リスクモデル |
研究開始時の研究の概要 |
局所進行/転移性腎細胞癌の予後は多様であり、従来の病期あるいはリスク分類では、その生物学的悪性度を十分に層別化できていない。申請者は、過去の解析において、局所進行/転移性腎細胞癌の25-30%が部分的に正常腎実質との不明瞭な境界を呈し、これが従来の病期分類とは独立して不良な予後と強く関連していることを見出した。本研究では、画像上の腎腫瘤と正常腎実質の境界不明瞭の病態を、臨床検体を用いて病理組織学的に解明し、不良な予後を規定する腎細胞癌の発育形態あるいは腫瘍被膜周囲の微小環境を同定する。画像所見はtexture analysisを用いて評価し、腎細胞癌の新規リスク分類と治療戦略を開発する。
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研究実績の概要 |
局所進行/転移性腎細胞癌の予後は多様であり、従来の病期・リスク分類では、その生物学的悪性度を十分に層別化できていない。はじめに申請者は、手術が施行された局所進行腎細胞癌77例の術前造影CT画像および摘出標本を用いて腎癌と正常腎実質の境界の画像所見および組織学的所見を解析し、同部の浸潤性境界が不良な予後と強く関連することを示した(Shimada W, Tanaka H, et al. Int J Urol. 2021; 28: 1233-1239.)。転移を有する腎細胞癌98例においても腎原発巣の造影CT画像を用いて類似の解析を行った結果、腫瘍と正常腎実質の浸潤性境界が全体の41%に認められ、これが腎癌死の独立したリスク因子であり、さらに現在広く用いられているIMDCのリスク分類と組み合わせることでその予測精度の向上に寄与することが示された(論文投稿中)。さらに申請者は、局所進行癌に限定しない根治的腎摘除が施行された非転移性淡明細胞型腎細胞癌333例の切除検体を病理学的に評価した。その結果、腎実質内浸潤/進展を40例(12%)に認め、内24例がpT3a以上、16例がpT1-2であった。多変量解析では、pT3a以上、脈管侵襲、WHO/ISUP grade 3-4、腎実質内浸潤/進展が再発の独立したリスク因子であり、ハザード比は腎実質内浸潤/進展で最も高値であった。腎実質内浸潤/進展を呈する症例と呈さない症例の腫瘍組織からDNAを抽出し、腎細胞癌において重要な遺伝子のvariant頻度を解析すると、腎実質内浸潤/進展を呈する症例ではSETD2およびTSC1遺伝子に変異を有する頻度が有意に高かった(論文投稿中)。以上から、組織学的な腎実質内浸潤/進展は従来のTステージとは独立して術後再発リスクに強く関連し、その背景にはよりaggressiveな遺伝子背景があることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
おおむね順調に進展しており、記載すべき理由はない。
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今後の研究の推進方策 |
組織学的な腎実質内浸潤/進展の予後への影響と遺伝学的背景に関する論文を現在投稿中である。今後は、Radiomics解析を用いた腎実質内浸潤/進展の予測、不良な予後の予測を可能とするモデルの作成を進める。
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