研究課題/領域番号 |
20K18111
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56030:泌尿器科学関連
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
窪田 成寿 滋賀医科大学, 医学部, 助教 (80759118)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | γ-グルタミルシクロトランスフェラーゼ / がん増殖関連蛋白 / 腎癌 / 新規治療標的 / がん増殖関連タンパク / がん増殖関連たんぱく / 腎がん / GGCT / 腎細胞がん |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では, 腎がん細胞株におけるGGCT発現阻害による抗腫瘍効果を明らかにする.腎がん細胞株間でのGGCT阻害剤への感受性の差異を解析し,遺伝子発現プロファイルを比較検討することで,抗腫瘍メカニズムの鍵となる分子機構および効果予測バイオマーカーを同定する.さらに動物モデルを用いてGGCT阻害剤の有効性および安全性を明らかにし,GGCTを標的とした新規治療としての投与方法の確立をめざす.
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研究成果の概要 |
種々の腎細胞がん株に対し、γ-グルタミルシクロトランスフェラーゼ(GGCT)阻害剤pro-GAは有意な抗腫瘍効果を認めた。その作用機序として、グルタチオン(GSH)代謝阻害によるGSHやシステインの枯渇が酸化ストレスを惹起し、抗腫瘍効果をもたらすことを明らかにした。より効果的な治療方法の確立を目的とし、酸化ストレス誘導剤との併用療法について検討した結果、pro-GAと酸化ストレス誘導剤の併用はそれぞれ低用量でも活性酸素種ROSの著明な増大を誘導し、強い抗腫瘍効果が得られることが明らかになった。GGCTを標的とした治療は腎癌に対する新規治療選択の1つとなりうることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
腎癌に対するさまざまな分子標的治療の開発が進められているが、いずれも有害事象の克服が課題とされている。申請者らはGGCTを標的とした治療が、酸化ストレスの誘導を介して腎癌に対する優れた抗腫瘍効果をもたらすことを明らかにした。この作用機序に着目し、酸化ストレスを増強させる非抗癌剤との併用治療が、単剤と比較しより低用量で強い腫瘍増殖抑制効果を発揮することを示した。本研究の発展は、腎癌に対する新規標的治療の可能性を示すと共に、ドラッグリポジショニングによる治療効果増強と副作用の低減を実現することにも貢献でき、社会的意義は高いものと考えられる。
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