研究課題/領域番号 |
20K18118
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56030:泌尿器科学関連
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
土肥 洋一郎 香川大学, 医学部附属病院, 助教 (60867290)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | GPR87 / 腫瘍細胞表面バイオマーカー / 泌尿器癌 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、泌尿器癌領域において標的治療の進歩で大きなベネフィットがもたらされたが長期治療効果を得られるのは少数の患者で十分満足できるものではない。これまでに我々が研究してきたGPR87(G protein-coupled receptor 87)は細胞表面に位置し細胞増殖に関与するレセプターで多くの悪性腫瘍に特異的に発現している。この特徴はGPR87が理想的な標的の性質を示し、遺伝子治療、低分子試薬および免疫治療に取り入れる可能性を有している。 「腫瘍細胞表面バイオマーカーGPR87を標的とした泌尿器癌の治療戦略」を構築することで、泌尿器癌を含む広範な癌種に対する新規治療法の臨床的開発を目指したい。
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研究成果の概要 |
遺伝子導入を目的としてアデノ随伴ウイルスベクター(AAVベクター)に着目した。既に膀胱癌細胞株においてAd-sh GPR87ベクターにより証明した有効なsiRNA配列のshRNApAAV-CMV Vectorにクローニング、トランスフェクション後培養させ、shRNA発現アデノ随伴ウイルスベクター(AA-shsiGPR87)を作製した。しかし、in vitroでこのAAVの膀胱癌細胞株RT112への導入効率が20%程度と十分ではなかった。よりよい導入効率を目指しexosomeに着目し、AAV-cotaining exosomeを精製を行い、通常のAAVと比較して導入効率の増加を証明した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
腫瘍細胞表面バイオマーカーであるGPR87を標的とする治療戦略の構築は、泌尿器癌の治療において新たなアプローチとなる可能性がある。GPR87の発現は多くの悪性腫瘍にみられるため、泌尿器科領域以外の癌にも応用可能性があり、より効果的かつ個別化された治療が実現できる可能性がある。ただし、遺伝子導入効率の点ではAAVでは不十分であることが明らかになった。よりよい導入効率を目指しexosomeに着目し、AAV-cotaining exosomeを精製を行い、通常のAAVと比較して導入効率の増加を証明した点は遺伝子導入や薬物デリバリーの分野での新たなアプローチの開発につながる可能性がある。
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