研究課題/領域番号 |
20K18122
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56030:泌尿器科学関連
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
永井 隆 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 研究員 (20813447)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 温熱療法 / 前立腺癌 / ナノ粒子 / 磁性ナノ粒子 / 光線力学療法 / 化学療法 |
研究開始時の研究の概要 |
本邦における前立腺癌患者数は著しく増加しており、前立腺癌に対しての局所治療は手術や放射線療法が主流である。しかし、前立腺および周辺臓器に影響を及ぼし機能障害を引き起こすという大きな問題点がある。私たちは以前から、独自のMNPと交流磁場を用いた新規癌温熱療法に関して研究を重ね、この問題の克服を目指してきた。さらに近年、抗癌剤や光増感剤を内包する磁性ナノ粒子の開発を進めてきた。光増感剤内包磁性ナノ粒子は、近赤外光による励起で活性酸素を発生させ、癌細胞に対する治療効果が期待できる。そこで今回は新規のナノ粒子の開発により温熱療法・化学療法・光線力学療法の相乗効果による新規の抗癌治療の開発を目標とする。
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研究成果の概要 |
去勢抵抗性前立腺癌の予後は不良であり、新規の治療法が求められている。私たちは交流磁場下で酸化鉄ナノ粒子 (iron oxide nanoparticle: IONP)が発熱することで深部組織の癌治療が可能な磁気温熱療法に着目し、薬剤キャリアとしてのカーボンナノホーン(carbon nanohorn: CNH)を用いた温熱療法に適応可能な新規ナノ粒子の開発をした。3-アミノプロピルトリエトキシシラン(APTES)を介しCNHとIONPを結合させたナノ粒子をCNH-APS-IONPと命名し、動物実験で治療効果を確認した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでにカーボンナノホーンを用いた磁性ナノ粒子の開発は報告が少ない。また、カーボンナノホーンは表面積が大きいことからdrug delivery systemとして有用性が報告されており、薬剤や抗体の結合能が高い。本研究ではCNHを利用した温熱療法可能な磁性ナノ粒子を開発したことで、今後癌特異的な抗体や抗腫瘍薬の結合によりより高い治療効果を得たり、診断への応用が期待される。また抗体や薬剤を変更することで、他癌腫にも応用可能であると考えられるため、社会的意義が高いと考えられる。
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