研究課題/領域番号 |
20K18123
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56030:泌尿器科学関連
|
研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
清水 輝記 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 客員講師 (90530361)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
|
キーワード | γδT細胞 / Vγ9Vδ2T細胞 / 癌微小環境 / 膀胱癌 / 免疫疲弊 / Tim-3 / CAF / TAM / γδT細胞膀胱内注入療法 |
研究開始時の研究の概要 |
申請者は局所閉鎖空間である膀胱という臓器に着目して未だ臨床試験の行われていないγδT細胞膀胱注入療法につき正所性膀胱癌マウスモデルにおいて検討をした結果、強力な抗腫瘍効果を発揮することを報告した(Shimizu T et al. Oncoimmunology, 2018; 7(5):e1424671.)。治療効果を更に確固たるものにするためには、癌組織内におけるimmunosupressionに関与するメカニズムの解明が必要であると考えている。投与したγδT細胞が、癌微小環境における免疫抑制作用での疲弊を起こすことなく癌細胞に対してエフェクトできればより有効な癌免疫治療が期待できる。
|
研究成果の概要 |
本研究課題では、膀胱癌担癌患者の培養実施および抗腫瘍効果を実施し、投与したγδT細胞の癌微小環境下での免疫疲弊に関する検討を行った。培養後のγδT細胞にTim-3が高発現していた。同定したTim-3の役割をフローサイトメトリーの実験系で検討した所、E:T比10:1において抗Tim-3抗体を処置することでγδT細胞の抗腫瘍効果が有意に増強することがTCCSUP株において示された。以上から抑制性分子Tim-3ブロック抗体を使用するとγδT細胞の効果が増強する事象をin vitro実験系で示せた。これらの結果の担癌モデルマウスを用いてin vivo実験系での再現性につき今後予定していく。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
膀胱癌担癌患者の培養実施および抗腫瘍効果を実施し、結果、良好な培養効率を確認できたためγδT細胞免疫療の臨床応用に向けた予備検討を行う事ができた。細胞療法の際に投与したγδT細胞の癌微小環境下での免疫疲弊に関与する細胞分子メカニズムに着目した検討を実施した。癌微小環境によるγδT細胞免疫疲弊にTim-3分子が関与する事を明らかにした。Tim-3分子の抗体を投与することがγδT細胞細胞療法の癌細胞の治療効果を高める結果、本経路を標的としたTMEに対する免疫アプローチが、膀胱癌のみならず他固形癌に対してのより有効なγδT細胞免疫細胞療法の確立への基盤構築となることが期待される。
|