研究課題/領域番号 |
20K18125
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56030:泌尿器科学関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
箱崎 恭平 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 訪問研究員 (70813426)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | AXL / GAS6 / 腎細胞癌 / 腫瘍免疫微小環境 / カボザンチニブ / シングルセルカウント / がん免疫ゲノミクス解析 / DNAメチル化アレイ / 次世代シーケンシング解析 / 腎癌 / Gas6 / 癌免疫微小環境 / 不均一性 |
研究開始時の研究の概要 |
AXLは、腎がんの転移・進行や腫瘍免疫微小環境の形成に深く関与する。本研究では、腎がんにおけるAXL、Gas6発現の意義を明らかにし、AXL発現プロファイルと腫瘍免疫微小環境との関連を検討する。 AXLがターゲットのCabozantinibは新規マルチキナーゼ阻害剤であり、将来的にはCabozantinibが転移性・切除不能腎がん治療の主軸となることが予想され、AXL発現プロファイルと腫瘍免疫微小環境の相関を明らかにすることは、Cabozantinibの適正使用や最適な免疫チェックポイント阻害薬との併用を促す基礎的エビデンスとなり得、今後の腎がん臨床において有用な研究と考える。
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研究成果の概要 |
193例の腎細胞癌におけるAXL/GAS6の発現強度でスコア化(AXL/GAS6 score)し、3群(low~int.~high)に分けた。淡明細胞型原発巣では、high群はlow群と比し有意に予後不良であった。淡明細胞型原発巣・転移巣ともに、AXL/GAS6 score上昇に併せて癌代謝の関連因子も発現上昇を認めた。AXL/GAS6 scoreは臓器・サブタイプ特異的な変化を認め、肺転移・papillaryでは低く、sarcomatoid ・転座型・集合管癌では高い傾向を認めた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
腎細胞癌において、AXL/GAS6 axisは、発がん、転移、がん微小環境、がん免疫に関与し、腫瘍形成に重要な役割を果たす可能性が示唆されているが、臨床的な検討は不十分であった。本研究で新たに定義したAXL/GAS6 scoreは、AXL/GAS6発現の不均一性を克服する、臨床に即した、新しい予後予測因子として有用であった。また、AXL/GAS6 scoreは、転移部位・サブタイプ特異性を認め、score が高い群では、抑制的な免疫微小環境が形成されることが新たに分かり、本研究の結果は、臨床における転移性腎細胞癌の薬剤選択において、有用な基礎的データとなると考える。
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