研究課題/領域番号 |
20K18127
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56030:泌尿器科学関連
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研究機関 | 藤田医科大学 |
研究代表者 |
高原 健 藤田医科大学, 医学部, 准教授 (90418939)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 前立腺癌 / 去勢抵抗性前立腺癌 / AR |
研究開始時の研究の概要 |
進行前立腺癌の一般的な手段であるアンドロゲン遮断療法は、その近接効果は著明である が、多くの症例で数年以内に治療抵抗性の去勢抵抗性前立腺癌(CRPC castrationresistant prostate cancer)となる。2015年包括的OMICSデータにより、CRPC発現に関連する遺伝子の同定が明確化されつつある。本研究では、OMICSデータを踏まえ、CRPCのホルモン非依存性状態を引き起こす生物学的事象の早期解明を目的とする。
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研究実績の概要 |
[目的] 2015年包括的OMICSデータあるいは申請者らのこれまでの報告に基づき、AMACR(a-methylacyl-CoA racemase)、AR(androgen receptor)、ARV7に焦点 を絞り、去勢抵抗性前立腺癌(CRPC)との関連性を解明する。また新たにCRPC細胞とアミノ酸トランスポーターであるASCT2(SLC1A5)との関連性も検討に加える。 [方法] ヒト前立腺癌細胞株であるLNCaP(CSPC細胞株)と、ARバリアントであるARV7発現を有する22Rv1(CRPC細胞株)を用い、in vitroでASCT2を標的としたsiRNAによる発現抑制療法と、ARのantagonistであるEnzalutamide(Enz)を使用した実験を行い、単独、または併用での細胞増殖形態やWestern Blotting(WB)を用いたタンパク発現レベルの解析を行った。細胞培養は、ウシ胎児血清(FBS)、チャコール/デキストラン処理を行ったFBS(CSS)を含むRPMI培地を使用した。 [結果] LNCaPにおいて、FBS培地下でsiRNAを用いたASCT2抑制療法では、コントロール群と比較し、細胞増殖能の著明な低下を認めたが、WBにおいてAR発現の低下は認めなかった。LNCaPにAR antagonist であるEnzを付加した実験系では、AR発現の低下に伴い、LNCaP細胞増殖能の著明な低下が認められたが、ASCT2発現に影響を及ぼさなかった。これらの結果を踏まえ、LNCaPにおいてASCT2抑制とEnz付加による併用療法を施行したところ、細胞増殖能は、単独療法と比較し有意に低下し、それに伴い、ARの更なる発現低下を認めた。ASCT2抑制とEnzの相乗効果により、LNCaPの細胞増殖能が、さらに抑制される可能性があることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
in vitroの研究結果が順当に得られている。
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今後の研究の推進方策 |
引き続きCRPC細胞株である22Rv1を用い、同様のASCT2抑制療法を行い、その細胞増殖形態とAR、ARV7発現についてWBを用い検討する。
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