研究課題/領域番号 |
20K18135
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56030:泌尿器科学関連
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
志村 寛史 山梨大学, 大学院総合研究部, 助教 (70755842)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 大脳 / カルシウムイメージング / 2光子顕微鏡 / 排尿 / 前帯状皮質 / 一次運動野 / 蓄尿 / 大脳皮質 / 神経活動 / optogenetics / 光遺伝学 |
研究開始時の研究の概要 |
ACCは排尿や蓄尿の上位中枢と考えられてきたが、その神経回路や神経活動のメカニズムは解明されていない。本講座ではこれまでに光遺伝学の手法を用いて、麻酔下のマウスのACCの興奮性ニューロン活動が排尿を促進し、抑制性ニューロン活動が排尿を抑制することを明らかにしている。一方で排尿時のACCの神経細胞の活動の観察はまだなされていない。さらに、病的モデルでの検証も重要と考える。そこで本研究では慢性行動実験や病的排尿モデルマウスを用いた排尿基礎実験の手法と、神経活動を直接観察するファイバーフォトメトリーや2光子顕微鏡を用いた神経生理学的手法とを組み合わせて、ACCの排尿に関わるメカニズムを明らかにする。
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研究成果の概要 |
前帯状皮質(Anterior cingulate cortex; ACC)と一次運動野(Primary motor cortex; M1)において、神経活動を反映するカルシウムセンサーを遺伝子導入で発現させたマウスを用い、膀胱内圧測定と同時に2光子顕微鏡で排尿時の神経活動を捕らえる研究を行った。高い空間識別能により、排尿に関わる役割を持つ神経細胞とそれ以外の細胞を識別することができた。 遺伝子導入の手法により、ACCには活動パターンが異なる細胞群が、その局在や経路に依存して存在していることを明らかにした。おそらくそれらの細胞群は排尿において別の働きを担っていると推測された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで排尿に関わる中枢神経の働きはほとんど未解明であった。特に大脳は1つの脳領域でも様々な役割を持つ神経細胞が共存している。今回の研究では2光子顕微鏡を用いることにより、個々の細胞単位で排尿に関連した活動かを判別することができた。また、同じ領域内の排尿に関連する細胞であっても、細胞によって活動のパターンが異なる場合があり、それはその細胞の存在する場所や細胞の性質、細胞の投射する経路に依存していることが明らかとなった。今回の我々のような手法を用いれば、不明瞭であった排尿に関わる中枢神経の働きを明らかにし、難治性の下部尿路機能障害の治療に大きく貢献していくと考える。
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