研究課題/領域番号 |
20K18142
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56030:泌尿器科学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
後藤 景介 広島大学, 病院(医), 助教 (30784251)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | HMGB1 / Prostate cancer / Cancer microenvironment / 前立腺癌 / FGFファミリー / 内分泌療法 / 細胞生物学 |
研究開始時の研究の概要 |
多くの進行性前立腺がん症例に対する内分泌療法において、去勢抵抗性獲得は大きな問題である。去勢抵抗性前立腺がんの詳細な分子機構には未だ不明な点が多い。HMGB1はDNAの安定化に関わる核蛋白であるが、アセチル化により細胞外へ分泌されがんの増殖・浸潤・転移を促進させることが知られている。HMGB1の局在変化が前立腺がんの悪性化に関係すると想定され、その先の去勢抵抗性獲得と関係する可能性がある。本研究では以下に示す方法からアセチル化HMGB1による去勢抵抗性獲得の分子機構の解明を通じて前立腺がんの新たな診断・治療法開発を目指す。
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研究成果の概要 |
非ヒストンクロマチン結合タンパク質であるHMGB1は、通常核内に存在するが特定の条件下において細胞質内に移行し、シグナル分子として細胞外へ分泌され癌の増殖等に関わるとされる。前立腺癌において HMGB1の高発現例は前立腺全摘除術後の予後が悪かった。siRNA導入実験より、HMGB1が前立腺癌細胞の増殖に関わることがわかった。前立腺周囲脂肪組織 (PPAT) における HMGB1 レベルを測定したところ、グリソンスコアが高い前立腺癌症例で有意に高かった。 これらの結果から、がん微小環境で分泌された HMGB1 が PCa の進行に重要な役割を担っていることが示唆される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
前立腺周囲脂肪組織中のサイトカインの発現が前立腺癌の悪性度と関連することはこれまでにない発見であり、前立腺癌におけるがん微小環境との関連を明らかにするための重要な結果であると考えられる。また、HMGB1の関与するシグナルは前立腺癌のみならず他臓器の腫瘍においても同様に存在すると考えられ、本研究で得られた知見は他のあらゆる癌腫へ応用可能である。
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