研究課題/領域番号 |
20K18153
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56030:泌尿器科学関連
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研究機関 | 神戸学院大学 |
研究代表者 |
前倉 孝治 神戸学院大学, 薬学部, 講師 (30806154)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 精子形成 / p-RPS6 / 男性不妊 / Rimklb / ライディッヒ細胞 / 精子 |
研究開始時の研究の概要 |
本邦において不妊検査や治療を受けたことのある夫婦は、全体の5.5組に1組に及び、少子化が大きな問題である。申請者は哺乳類における役割が分かっていないRimklbという分子に着目した。以前にRimklb遺伝子の一部欠損により雄マウスが完全不妊を示すことを見出した。Rimklbは精巣の間質に存在するライディッヒ細胞に発現している。しかしRimklb遺伝子欠損マウスは精細管における生殖細胞の脱落、異形精子の増加や体外受精の失敗などの様々な表現型を示した。本申請研究では主にRimklbの相互作用タンパクの探索、ライディッヒ細胞における役割、精細管における生殖細胞の脱落がなぜ起こるかに着目し研究を行う。
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研究実績の概要 |
Rimklb(Ribosomal Modification Protein RimK Like Family Member B)はRimKの哺乳類相同体であり、β-シトリルグルタミン酸(β-CG)を合成する酵素である。Rimklbは新生児期の脳および精巣で高発現していることが分かっていたが生理的な機能は明らかでなかった。 我々はRimklbの29番目のアミノ酸に変異がみられるとマウスにおいて雄性不妊がみられることを明らかにした。Rimklb変異マウスにおいて精子数の減少、運動能低下や精細管の脱落が見られた。またRimklb変異マウスにおいてp-RPS6(ribosomal protein S6)の増加がみられ血液精巣関門(BTB)の崩壊している可能性が示唆された。まとめるとRimklbが何らかの方法でBTBの崩壊と形成を調節し、精子形成に関わっているのではないかと推察された。 次にRimklbのホルモンへの影響を調査するためにRimklb変異マウスにおけるテストステロンおよびエストラジオールの濃度を調査した。結果としてテストステロンに差はみられなかったが、エストラジオールはRimklb変異マウスにおいて増加していた。 これらの結果によりRimklb変異がエストラジオールの増加を引き起こし、血液精巣関門の調節機構を破綻させ、精子形成に影響を及ぼしている可能性が示唆された。
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