研究課題/領域番号 |
20K18177
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56040:産婦人科学関連
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
高田 和秀 日本大学, 医学部, 助教 (60848711)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 腟細菌叢 / 子宮内細菌叢 / Lactobacillus / 膣内細菌叢 / 抗菌ペプチド / FRT-organ axes / 腟内細菌叢 / 乳酸桿菌 / 腟上皮細胞 / 上皮バリア機能 / プロバイオティクス |
研究開始時の研究の概要 |
健常人の腟内細菌叢は乳酸桿菌主体であることが多い。腟内細菌叢の乱れ(dysbiosis)は、性感染症や早産等のリスクを高めるため、乳酸桿菌を用いたプロバイオティクスが試みられている。本研究では乳酸桿菌同士の増殖阻害作用や、腟上皮バリア機能と各菌種との相互作用を検討することで、腟細菌叢による腟内恒常性維持機構を明らかにする。またその結果、より腟内に定着しやすく、性感染症予防に効果的な菌種を選定する評価項目の確立も期待できる。
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研究成果の概要 |
女性生殖器における細菌叢は恒常性維持に重要な役割を担っている。腟由来株を中心にLactobacillus同士の培養上清をお互いに添加したところ、細菌増殖にほぼ有意な変化は認めなかった。このことから腟細菌叢がLactobacillus主体になる機序は、細菌間の競合よりも宿主の選択圧が働いている可能性がある。またGardnerella vaginalisの培養上清は、子宮頸部上皮細胞から抗菌ペプチドであるElafinの分泌を有意に促進した。子宮内細菌叢では、L. crispatusの生菌及び培養上清がトロホブラストの浸潤を有意に促進したため、着床に影響を及ぼす可能性がある。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
腟内細菌叢の乱れは、細菌性腟症など様々な原因となる。治療法の一つとしてプロバイオティクスがあるが、どの菌種がどのような機序で作用しているか、また組織に定着しているかは不明な点が多い。そのため、理想的とされるLactobacillus主体の細菌叢はどのようなメカニズムで維持されるのか、また病原菌はどのような影響を粘膜免疫に及ぼすかの一端を明らかにした本研究は、この分野の理解促進につながる。また子宮内細菌叢は健常人の菌種構成すらコンセンサスに至っておらず、今回の研究成果は子宮内細菌叢の役割の理解および、将来の適切な細菌叢介入手段の検討に寄与する。
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