研究課題/領域番号 |
20K18183
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56040:産婦人科学関連
|
研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
藤嶋 明子 秋田大学, 医学部附属病院, 助教 (00866460)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
|
キーワード | 経会陰超音波 / 児頭下降度 / パルトグラム / angle of progression / 分娩 / 経会陰超音波検査 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、分娩進行中の母体骨盤と児頭の位置関係を経会陰超音波検査で評価し、得られた継時的なデータを用いてパルトグラム(分娩経過図)を作成する。本研究の成果から、より正確な施行基準において産科処置が行われることで、母児の安全が確保され、産科医療における安全性が向上する。
|
研究実績の概要 |
分娩進行の評価法として手指による内診法が用いられているが、検者間・検者内誤差が大きいことが指摘されている。経会陰超音波検査(intrapartumtransperineal-ultrasound;以下ITU)は、恥骨と児頭の位置関係を客観的に評価でき、2018年にはISUOGからガイドラインが発表されたが、本邦では普及していないのが現状である。我々はITUによる客観的な分娩評価法の普及を目指し、陣痛促進剤開始時から分娩まで定期的に内診およびITUで診察した。 パイロットスタディの期間も合わせ、2019年3月から2020年12月までの正期産、単胎の分娩誘発症例の、のべ約100分娩の蓄積をおこなった。ITU所見は主にangle of progression(AOP)を使用した。1)内診とAOPの関連を調べた。2)時間軸で描いたAOP曲線を作成し、初産群と経産群および自然分娩群と器械分娩群で比較した。子宮口8cmから全開大後に、急速に児頭の下降が見られるため、より正確なAOPによるパルトグラムを作成するために同時期からは20-30分おきに診察をすることに変更した。これらデータの蓄積により、正確な分娩進行の把握、回旋異常や遷延分娩などの診断が可能となった。さらに内診での児頭下降度の評価における教育においても極めて有効であることが明らかになった。 分娩の高い安全性を保つためには、より客観的な分娩評価方法の確立が必要であり、本研究結果は極めて有用である。 本研究成果は、実臨床にそのまま実践でき、患者への分娩アウトカムを直接改善することが期待される。高齢妊娠などの分娩時のハイリスク症例が増加する現在、本研究結果は多くの病院でのITU導入に寄与する。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍における臨床業務の圧迫により研究業務の遅れが生じた。データ蓄積は行なっているものの、それらの解析に十分な時間を割くことができなかった。現在、概ねコロナ前の状況となり、再度研究を再開し、論文の執筆中である。
|
今後の研究の推進方策 |
今年度中に論文投稿を終える予定である。本結果の報告により秋田県内における経会陰超音波の普及を進める。
|