研究課題/領域番号 |
20K18186
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56040:産婦人科学関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
鏡 京介 金沢大学, 附属病院, 助教 (80748616)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 子宮筋 / 組織透明化 / マウス子宮筋 / メッシュ構造 |
研究開始時の研究の概要 |
申請者らがこれまで報告してきた生殖臓器の組織透明化技術を用いることで、これまで認識されていなかったマウス子宮筋のメッシュ構造が明らかにされた。この構造は、内輪筋と外縦筋の間に位置し、互いの筋層に連絡しており、周囲にはペースメーカー細胞の存在が示唆された。この構造的特徴に着目し、「メッシュ構造が収縮の起点になっている」という新しい仮説を掲げ、さらに内輪筋と外縦筋の連動する運動にメッシュ構造が重要な役割を果たしているという可能性についても検証することとした。本研究によって得られる知見は子宮筋の収縮異常で生じると考えられる各疾患に関して、新たな視点で病態を提案できる可能性がある。
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研究成果の概要 |
組織透明化技術を用いたマウス子宮筋の解析から、これまで認識されてこなかった新たな子宮筋構造を同定した。光シート顕微鏡で取得した連続画像を詳細に解析すると、内輪筋に起始した筋線維束が外縦筋に連絡し、内輪と外縦を橋渡しする構造を呈していた。この領域には血管構造が豊富に観察され、さらにTUBB3陽性の神経軸索も入力されていることが明らかになった。また子宮テロサイトもメッシュ状の筋線維束に沿って走行するのが観察され、神経軸索終末がテロサイトに接している様子も観察された。以上から、長い管腔構造を呈するげっ歯類の子宮でありながら、局所の巧みな収縮を自律的に起こす起点になっている可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
子宮の収縮は月経,妊娠や分娩現象に直接関わっており,その異常は子宮内膜症、月経困難症、胚の着床障害や胎児娩出異常などに関わっていると推察される。しかしながら、子宮筋収縮の制御機構についてはこれまでに明らかにされていなかった。今回申請者らがこれまで世界に先駆けて報告してきた生殖臓器の組織透明化技術を用いることで、これまで認識されていなかったマウス子宮筋のメッシュ構造が明らかにした。この構造の周囲にはペースメーカー細胞の存在が示され、収縮の起点になっている可能性が示された。本研究によって得られる知見は子宮筋の収縮異常で生じると考えられる各疾患に関して、新たな視点で病態を提案できる可能性がある。
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