研究課題/領域番号 |
20K18189
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56040:産婦人科学関連
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
北澤 純 滋賀医科大学, 医学部, 医員 (30823900)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 慢性子宮内膜炎 / ヘルパーT細胞 / 形質細胞 / 着床障害 / flow cytometry / Th1細胞 / Th2細胞 / 免疫細胞 / 免疫担当細胞 / 子宮内膜 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、慢性子宮内膜炎が不妊症と関連していることが報告され、我々の教室でも慢性子宮内膜炎が受精卵の着床に必要な子宮内膜の脱落膜化を障害すること、不妊症の原因となる子宮内膜症と慢性子宮内膜炎の関連などを明らかにしてきた。慢性子宮内膜炎の治療法は現在抗菌薬しかなく、新たな治療法の開発が課題である。 本研究は、慢性子宮内膜炎と子宮内免疫環境との関連に注目し、その中でも妊娠成立・維持に関与する免疫担当細胞のバランスが慢性子宮内膜炎の有無で変化するか解明する。対象は当院妊孕外来通院中で胚移植前の患者約30人である。免疫の異常を認めた場合、異常が起こるメカニズムを特定することで新たな治療方法の開発につなげる。
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研究成果の概要 |
慢性子宮内膜炎(CE)は着床障害の原因となる疾患である。着床には子宮内膜の免疫細胞が重要な役割を果たしている。今回、ヒト着床期子宮内膜内の免疫細胞の一種であるヘルパーT細胞(Th細胞)亜群の分布とそのCEの病態への影響を検討した。 解析では、CE群はnon-CE群に比べTh1細胞が有意に多く、Th2細胞が少なかった。また、CEで出現する形質細胞数が増えるほどTh1細胞は増加し、Th2細胞は減少した。さらに、子宮内膜の蛍光免疫染色では、CD4陽性Th細胞は有意に形質細胞周囲に集蔟していることが明らかになった。よって、CEはTh細胞に変動を来すことで着床障害に関与する可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は着床障害の原因として世界的に注目されているCEの病態メカニズムについて、その一端を解明した重要な研究である。CEの主たる原因は細菌感染と考えられており、治療として広域抗菌薬が使用される。CEを治癒できれば、着床率や生児獲得率は非CE患者と同等に改善するが、一部に抗菌薬治療抵抗性のCEが存在する。CEの病態メカニズムの解析が進むことで、抗菌薬以外の新しい治療方法の開発につながることが期待される。
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