研究課題/領域番号 |
20K18196
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56040:産婦人科学関連
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
田中 佑輝子 京都府立医科大学, 医学部附属病院, 専攻医 (50806297)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 子宮内膜症 / 自然リンパ球 / 炎症性サイトカイン / 自然免疫 / 自然リンパ球(ILC) |
研究開始時の研究の概要 |
子宮内膜症は子宮内膜様組織が子宮内以外の部位で異所性に増殖する疾患である。月経痛、慢性骨盤痛、不妊などにより女性の健康を著しく損なう疾患である。これまで内分泌療法をはじめとした治療法の進歩が認められるものの、その病因・病態機序がいまだ明らかではない。子宮内膜症の発症・進展に免疫の状態が正常者と異なっているが、不明な点が多い。近年特異的な抗原をもたない自然リンパ球(ILC)が存在し、免疫応答に重要な役割を果たすことが明らかになっている。本研究ではILCが子宮内膜症へ及ぼす影響について検証し、本疾患の免疫学的病態機序を明らかにする。
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研究成果の概要 |
自然リンパ球(ILC)は自然免疫と獲得免疫へ影響を与える重要な免疫細胞である。 ILCの割合を末梢血、腹水、正所性子宮内膜、子宮内膜症性嚢胞を採取し、フローサイトメトリーで検討した。子宮内膜症患者と非子宮内膜症患者を比較して、血液と腹水では有意な差は認めなかった。非子宮内膜症患者と比べ、子宮内膜症患者の子宮内膜ではILC2, ILC3が有意に低下していた。また、子宮内膜症性嚢胞では非子宮内膜症患者の子宮内膜や子宮内膜症患者の子宮内膜と比較し、ILC1, ILC2, ILC3のすべてが増加していた。子宮内膜や卵巣子宮内膜症性嚢胞など局所の病態にILCsが関与している可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
自然リンパ球(ILC)は最近発見された、免疫に大きく影響する細胞である。子宮内膜症は慢性炎症性疾患であるが、ILCの関わりについては報告がなかった。今回われわれが初めて子宮内膜症でのILCの変化を調べた。 子宮内膜症患者においてILCは末梢血、腹水中で変化は認めず、腹腔内環境などILCの影響を示唆する所見は認めなかった。一方、子宮内膜や卵巣子宮内膜症性のう胞など局所の病態にILCsが関与している可能性が示唆された。
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