研究課題/領域番号 |
20K18206
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56040:産婦人科学関連
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研究機関 | 大阪医科薬科大学 |
研究代表者 |
大門 篤史 大阪医科薬科大学, 医学部, 助教 (20846894)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 流産モデルマウス / iPS細胞 / 血管内皮前駆細胞 / 血管新生因子 / CD34 / CD31 / CD45 / 流産率 / ヒトiPS細胞 / 不育症 / 妊娠高血圧腎症 / 血管内皮細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
血管内皮細胞を含むマウス多能性幹細胞由来細胞群(マウスPSC-EPs)を自然発生の不育症・妊娠高血圧腎症(preeclampsia, PE)モデルマウスに移植すると、胎仔母胎血管が増加し、流産率が低下することを明らかにした。このモデルマウスに血管内皮細胞を含むヒトiPS細胞由来細胞群(ヒトPSC-EPs)を移植しても流産率が低下する傾向をつかんだ。本研究では、今後の臨床応用へ向け、この不育症・PEモデルマウスに対するヒトPSC-EPsの治療効果を確定させ、さらにヒトPSC-EPs投与の安全性、そして、その作用機序を解析する。これらの解析から、ヒト不育症・PEの有効な治療法確立の一歩とする。
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研究成果の概要 |
hiPS細胞より分化誘導した細胞は、分化5日目には血管形成能を有する血管内皮前駆細胞(hiPS-EPC)に分化していると考えられた。流産モデルマウスへの尾静脈投与では、細胞が胚付近の血管内に一時的に局在し、血管新生促進因子を産生することによってマウス胎盤におけるVEGF・PlGF発現の改善に関与し、血管新生を促し流産率を改善させる可能性が高い。また妊娠7.5日目のマウス胚の大きさ、数に有意差はなく、妊娠10.5日目にはPBS群で有意に異常胚が増加したことから、hiPS-EPCによる効果は投与直後ではなく、胎盤形成初期にかけて発揮され、以降の胎盤成熟および胎児発育に関与すると考えられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
hiPS-EPCの静脈投与によって、流産モデルマウスの胎盤におけるVEGF・PlGFの発現が増加し、流産率が減少した。これらの結果は、静脈内投与により妊娠胚に到達したhiPS-EPCが、血管新生促進因子を産生することで、マウス胎盤における血管新生促進因子発現も改善し、流産を減少させる可能性を示唆するものであり、流産に対する治療法の確立に期待できると考える。
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