研究課題/領域番号 |
20K18218
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56040:産婦人科学関連
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
出口 真理 滋賀医科大学, 医学部, 助教 (80866674)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 骨芽細胞 / 間葉系幹細胞 / 骨形成不全 / 骨形成不全症 / 幹細胞治療 / エキソソーム / cell-free-therapy |
研究開始時の研究の概要 |
骨形成不全症は多発骨折や進行性の骨変性を特徴とする先天性疾患であり、現在のところ根治的治療法はない。近年、新規治療法として、間葉系幹細胞(Mesenchymal stem cell MSC)を胎児期もしくは出生後に投与することで、骨脆弱性が改善するという報告がある。しかし、その詳細な機序に関してはまだ解明されていない。 本研究の目的は、MSCがどのように骨形成不全の表現型を改善する機序をin vitroにて検討する事である。MSCの治療効果を明らかにすることで、将来的に骨形成不全症のみならず、他の先天性骨系統疾患、骨粗鬆症や骨折などの治療にも応用できる可能性がある。
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研究実績の概要 |
マウスの正常骨芽細胞の分離を再度試みた。日齢9までの正常マウスの頭骸骨を細切し、トリプシンおよびcollagenaseにて分解した。得られた細胞を培養し、生着した細胞株を継代し、増殖能および骨分化に関して検討した。形態的には間葉系細胞を得られ、複数回の継代および凍結融解も可能であった。増殖培地で70%コンフルエントに達する程度まで培養を行い、その後骨分化培地に変更の上、14日間培養を継続した。しかしながら、骨文化を認めず、培地条件や培養日数に変更を加えても同様であった。培養日数を延長すると分化が進むという報告もあり、35日まで延長したが、細胞の増殖を認めるのみであった。 一方、間葉系幹細胞の培養に関しては、増殖培地で70%コンフルエントに達する程度まで培養を行い、その後骨分化培地に変更の上、14日間培養を継続した。その後アルコールにてウェルを固定後に骨分化、主にミネラル化の程度を画像にて解析を行った。また、骨組織へのカルシウム沈着量を、アリザリンレッド染色で評価を行ったところ、良好な骨分化を得ることができた。また、過年度に行ったヒト骨芽細胞の培養実験と同様、最適な骨文化に必要なアスコルビン酸濃度に関して濃度を変更して検討し、適正濃度およびアスコルビン酸欠乏による骨分化への影響に関して検討した。 また、上記の間葉系幹細胞を培養し、培養上清からエキソソーム採取を試みた。間葉系幹細胞を十分量培養し、無血性培地に移し、上清を採取。カラム法にてエキソソームを採取した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初実験で使用予定であった、マウスモデルからの細胞株の樹立に難渋したため
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今後の研究の推進方策 |
間葉系幹細胞が、骨分化に際してヒトおよびマウスの正常骨芽細胞および骨形成不全モデルマウスより得た病的骨芽細胞に対してどのような影響を与えるかについて引き続き調べる。マウスモデルの確立に難渋しているため、正常マウスモデルでの培養が確立してから病的細胞株での検討を行う。 今後はMSCより分泌されるexsosomeとの共培養も行い、増殖能やexsosomeの分化への影響を調べる。
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