研究課題/領域番号 |
20K18219
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56040:産婦人科学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
木瀬 康人 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (90778531)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 卵巣癌 / 明細胞癌 / ゲノム医療 / 個別化医療 / ARID1A / PDX / ATR / BRD4 |
研究開始時の研究の概要 |
進行・再発卵巣がんは予後不良であり、その中でも明細胞癌(Clear cell ovarian cancer; CCOC)は現行の標準治療抵抗性症例が多く、新規治療の開発が喫緊の課題である。近年がんの遺伝子異常を標的にした個別化医療・がんゲノム医療の有用性が報告され、その臨床応用が推進されている。 本研究ではCCOCの約50%に存在するARID1A変異を標的にし、新規の分子標的治療であるATR阻害薬とBRD4阻害薬の併用療法の有効性を検討する。特にCCOC Patient’s derived xenograft (PDX)マウスモデルを用いた治療実験により、早期の臨床応用への足掛かりを目指す。
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研究成果の概要 |
卵巣明細胞癌(CCOC)は抗がん剤抵抗性症例が多く難治性であるが、その約半数が持つARID1A変異という遺伝子異常を標的とした新規治療法の可能性を探索した。先行研究でCCOC細胞にはATR阻害剤とBRD4阻害剤がそれぞれ単独で強い効果を示したことをふまえ、本研究ではARID1A変異CCOCに対するATR阻害かつBRD4阻害併用療法の確立を目指した。研究結果は、ATR阻害かつBRD4阻害併用療法は細胞株でも患者由来腫瘍卵巣同所移植マウスモデルにおいても、ARID1A変異癌に強い抗がん効果を認め、CCOCに対する新規の分子標的治療となる可能性を見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
卵巣明細胞癌(CCOC)は、現在臨床において使用している抗がん剤に対する抵抗性症例が多く治療に難渋しており、新規治療法の開発が喫緊の課題である。本研究ではCCOCの約50%が持つARID1A変異という特徴に着目し、新規治療の開発を目指した。本研究成果にて、ATR阻害かつBRD4阻害併用療法は、ARID1A変異を持つCCOCに対して強い相乗的な抗腫瘍効果が示され、この併用療法がARID1A変異を持つCCOCへの新規治療法となる可能性が見出された。本研究成果を早期に臨床応用するべく、今後も研究ならびに臨床試験の準備を進めてゆく。
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