研究課題/領域番号 |
20K18221
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56040:産婦人科学関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
田崎 秀尚 岡山大学, 生殖補助医療技術教育研究センター, 助教 (00862012)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 卵母細胞 / スフェロイド / IVG / 妊孕性温存 / 顆粒層細胞 / トランスクリプトーム / 体外培養 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、若年がん患者の罹患数が増加しているが、医療の進歩により治療成績は向上している。そのため生殖腺毒性を誘発するがん治療は、がんサバイバーにとって深刻であり、妊孕性温存治療が注目されている。しかし凍結保存による細胞機能低下や移植片への悪性細胞混在のリスクが残る。この問題の解決策として、体外にて卵子・胚を作出する技術が研究されているが、培養系は確立されていない。本研究では、卵子発育を支持する顆粒層細胞の遺伝子発現プロファイルに着目し、凍結処理や体外培養が顆粒層細胞の卵子発育能に影響を与えるか検討する。生体内外での細胞機能の違いを候補とし培養系を改善することで、ヒト卵子体外培養系を確立する。
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研究成果の概要 |
本研究ではヒト卵母細胞を体外発育させる目的で、研究協力の同意が得られた患者卵巣組織ならびに組織から単離した未発育卵胞を用いて培養条件の検討を行った。その結果、卵巣組織中の一次卵胞は、気相液相界面培養により二次卵胞へと成長した。さらに、卵巣組織から単離した発育途上卵胞は、低吸着wellプレートを用いることで、従来の2次元培養に比べ生体に類似した球体の卵胞形態を維持し、培養開始時に直径100μm前後であった卵胞直径は、1mm以上の胞状卵胞まで成長した。しかし、培養卵胞から回収した卵母細胞は、体外成熟培養による減数分裂能を有しておらず培養系のさらなる改良が必要であることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
がん治療による生殖線毒性を回避するため、妊孕性温存療法への注目が高まる中、凍結保存による卵巣への影響や、融解したヒト卵母細胞の培養条件が確立されていないといった課題がある。本研究の成果から、ヒト卵母細胞を体外発育させる基礎的培養条件が確立し、今後は凍結融解前後の遺伝子発現解析の結果をもとに培養系を改良することで、体外発育培養によるがん生殖医療への貢献が期待される。
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